「わあああ」


 町田は感嘆の声をあげていた。

 町田の目の前には、豪華なマンションがあった。何階建てなのかわからないほどの、大きなマンションだった。


「ごめんね、町田くん」


 千鶴が口を開いた。

 彼女は学校指定のブレザーを校則どおりにきこなしている。

 かたくるしいようなその格好なのに、町田には千鶴が可愛く見えて仕方なかった。

 うっすらと筋肉の筋が浮き出たふくよかな太もも、制服の上からも隠しきれない大きな胸。

 町田は、男の本能に逆らえず、千鶴の体をちらちらと盗み見てしまうのだった。


「部活終わるの待ってもらっちゃって。たいくつじゃなかった?」

「いや、そんなことないよ。女子ソフト部の練習も見ることできたしさ」


 町田は、千鶴の調教宣言の後、千鶴の部活を見学していたのだった。

 女子ソフト部で、背が高く、長身の少女たちが、野球部では考えられないほどレベルの高い練習をしているのを見て、町田は背筋が凍る思いだった。

 井上彩華や優子といった長身の面々が、自分たちには真似できないパワフルな練習にうちこんでいる様子は圧巻だった。

 これだけの練習を重ねたからこその、彼女たちの強さなのだ。

 発達した体格でもって、すさまじい練習をしている彼女たちを見ると、自分たちが負けたのも無理からぬ話しだと、町田はそう思った。


「それじゃあ、入ろうか」

「う、うん」


 千鶴が先頭に立ち、二人はマンションの中に入っていく。

 町田は前を歩く千鶴の脚を見つめながら、これから自分はどうなってしまうのかと、不安にかられるのだった。


 ●●●


 千鶴の家は豪華の一言だった。

 マンションの最上階、ワンフロアがすべて千鶴の家。空間を贅沢につかった部屋は調度品も一級品で、品のよい雰囲気が漂っていた。


(ここが増田さんの家か)


 町田は周囲をキョロキョロ見渡しながら思った。

 千鶴から「着替えてくるからちょっと待ってて」と案内されたリビングのソファー。町田はそこに座って、千鶴が着替えてくるのを待っている。

 今まで野球ばかりしてきた町田は、同級生の女の子の家になんかあがったことがない。

 町田は緊張して、所在なさげに、豪華な家電や調度品を眺めるばかりだった。

 
「おまたせ♪」


 千鶴が着替え終わって居間に入ってきた。

 その姿に、町田の目は釘付けになった。

 夏場になって露出が高いラフな服装。

 短いデニムのホットパンツからは、艶めかしい生足が惜しげもなく伸びている。

 さらに、通気性のいい薄い生地のTシャツからは、千鶴の爆乳がデンともりあがっている。

 町田は千鶴に返答することもできず、彼女の姿に見とれてしまっていた。


「くす。どこ見てるの、町田くん」

「え、あ、いや・・・・・・・・」

「ふふっ、あとで、ね♪」


 楽しそうに言う千鶴と、背筋が凍る町田。
 
 恍惚とした表情でこちらを見つめてくる千鶴を見て、町田はビクンと恐怖と快感を感じた。

 その快感をなぜ感じたのか町田自身わからなかった。


「それじゃあ、ご飯にしようか町田くん」

「え、う、うん」

「ふふっ、好きなの選んでいいよ」


 と、千鶴がとりだしたのは大きな段ボールだった。

 なにが入っているんだろうとのぞき込んだ町田はそれを見てあっけにとられてしまう。

 段ボールの中に入っていたのは、様々な種類のカップラーメンやインスタント食品だった。


「え、ま、まさか」


 町田は驚いた。

 このインスタント食品、まさか千鶴の夕飯なのだろうかと、半信半疑に彼は考える。


(まさかね)


 町田は半笑いを浮かべ、ちらっと千鶴のことを見た。

 千鶴は、ドヤ顔でカップラーメンをみつくろうばかりだった。

 ダメだ。

 町田は意を決して言った。


「あの、増田さん。ご飯って、このカップラーメンのこと?」

「そうだよ。いろんな種類があっておいしいよね」

「あのさ、ひょっとして、毎日こんなの食べてるの?」

「うん。晩ご飯はカップラーメン。朝は食べなくて、昼は学校でお弁当を買って食べてるよ。あ、ちゃんとお母さん特製のプロテインは飲んでるから」


 めまいがした。

 町田は、アスリートの末席を汚すものとして、千鶴の言葉が信じられなかった。


「ちょっと冷蔵庫見せてもらうね」


 町田は千鶴の返答もきかずに冷蔵庫を開け、中身をみつくろう。

 卵とキャベツ、それに冷凍された豚肉とご飯のパックがあって、それを見た町田は「よし」とつぶやいた。


「僕が晩ご飯つくるよ」

「え、でもカップラーメンならいっぱいあるよ」

「そんなの食べちゃダメだ!!」


 町田は思わず大きな声をだしてしまった。

 千鶴が驚いたように目を大きくしてる。


「いいかい、増田さん。君は育ち盛りの女子高生で、しかもスポーツをやろうっていう人間でしょ? それなのに、毎日毎日、そんなジャンクフードばっかり食べてちゃ体が育たないよ」

「え、あ、うん」

「これから1ヶ月、増田さんの家にお世話になるんだし、ご飯の準備は僕がするよ。ちょっと待っててね、いまつくっちゃうから」

「いや、でも・・・・・」

「増田さんは黙って座ってて」

「は、はい」


 いつもと立場が逆になった二人。

 町田ははりきって、晩ご飯の準備にとりかかった。


 ●●●


 20分後。

 食卓には、豚の卵とじ丼が並んだ。

 そのにおいに食欲を刺激されっぱなしだった千鶴は、我慢しきれずにソレを口にし、一言、


「お、おいしいいい!!」


 感極まったように言って、勢いよくご飯を食べていく。

 ガツガツと豪快に食べていくその様子は女子としてどうなのかと町田としては思うのだが、自分がつくったご飯をこんなにも美味しそうに食べてもらえるだけでも嬉しかった。


「町田くん、これ、めちゃくちゃ美味しいよ!」

「そう、それはよかった」

「うん、おいしい! すごいすごい! 町田くんって料理できるんだね」

「いや、そんな料理できるとかいうレベルじゃないけどね」

「ううん! だって、わたしはこんなに美味しくつくれないし、お母さんのご飯よりおいしいもん。すごいなあ!」


 あっという間に完食して、ふうと息をつく千鶴だった。

 幸せそうにたたずむ彼女のことを見て、町田としても嬉しく感じた。

 明日から、千鶴の家に住まわせてもらうのだし、おいしいご飯をつくらなければいけないなと、町田は決意を新たにしていた。


「ごちそうさまでした! 町田くん、ほんっとにおしかったよ」

「おそまつさま。そう言ってくれると嬉しいよ」

「うんうん、町田くんにはこんな才能があったんだね。力弱くて、野球も下手くそだけど、料理つくるのはうまいんだ」


 無邪気に笑いながら言う千鶴。

 町田は傷つきながらも、はは、と苦笑いを浮かべるしかなかった。


「いやー、町田くんを虐める以外にも、楽しみができたね。町田くんの料理が毎日食べれるんだもん」


 るんるん、と笑顔で言う千鶴だった。

 そのなんでもないように言った千鶴の言葉に、町田はビクンと反応した。


「ま、増田さん?」

「ふふっ、腹ごしらえもすんだし、ちょっと遊ぼうか、町田くん♪」

「え、あの・・・・・・・・・」

「どうやって遊ぼうかな」


 楽しげに考える千鶴。

 町田の顔がだんだんと蒼白になっていく。

 千鶴の言っている「遊び」という言葉の意味。それを考えると、自分がこれからされることが容易に想像がついてしまった。


「うん、決めた♪」


 千鶴が満面の笑みで続けた。


「最初は、ここで虐めてあげるよ♪」

「むぐうう!!」


 言うがはやいか、千鶴は町田の顔面を自分の胸の中に埋めた。


 *


 ぐんにゃりと、とんでもない弾力に、町田の顔面がつぶれる。

 頭全部を包み込むような大きさと暖かさ、そして脳味噌がとろけるような甘い芳香。

 町田は、千鶴の爆乳の中に顔面をとじこめられ、一瞬にして意識がかりとられそうになった。

 しかし、


「えい♪」

「むっgふうううう!!」


 千鶴の腕に力がこもり、町田の顔面が苛烈に押しつぶされた。

 千鶴の巨胸。

 たわわに実ったそこに、町田の頭部は完全に埋もれてしまった。

 乳房に捕食されている。

 そう思わせるほどに町田は千鶴の胸に密着することになった。

 当然、まったく息が吸えない。

 必死に酸素を求める町田の無駄な努力は、すべて千鶴の爆乳によってシャットアウトされていた。


「えへへ、息吸えないでしょ?」

「むっぐふうう!! ふうあああ!!」

「ん? 苦しいのかな、町田くん?」

「むふううう!! やむうううう!!」

「え? なに? 聞こえないよ?」


 えい、と、さらに力をこめる千鶴。

 とろんとした瞳で、ひたすら町田に苦痛を与えていく。

 千鶴はそれまでの人生で感じたことのない多幸感を味わっていた。

 恍惚とした表情で、熱烈な抱擁を町田にほどこしていく。


「あ、痙攣してきたね」


 千鶴がこともなげに言った。

 千鶴は町田の顔面を玩具にしながら、彼の状態を何一つ見逃すことなく観察していた。

 町田の苦しみのすべてを見ていたいと千鶴は思った。

 ぎりぎりまで、町田のことを虐めぬきたい。

 もはや隠すことすらできないほど大きくなった千鶴のサディストとしての一面が、ここに開花しようとしていた。


「む・・・・あ・・・・・・」

「はい、気絶させてあげないよー」

「むっはああああ!!」


 限界まで虐める。

 町田の限界をとうに見極めている千鶴にとって、町田が気絶するぎりぎりのところで息を吸わせることなんて造作もなかった。


「はーい、息を吸いましょうねー」


 赤ん坊をあやすようにしていう千鶴。

 彼女は、まだ町田の顔面を胸で抱いたままだった。

 ぎりぎり息を吸えるというところまで力を弱めるが、それ以上に解放はしない。

 結果、町田は千鶴の甘い芳香でクラクラすることになった。


「ふふっ、本当はこのまま、1時間も2時間も、ぜったいに気絶させないまま、わたしの胸で町田くんのこと虐めたいんだけどね」


 千鶴が自分の胸の中で悶えている男にむかって言った。


「町田くん、今日は家に帰らないとだもんね。あまり遅くなっちゃまずいよね」

「ふううあああ、ああああ」

「ああ、もう、気持ちよさそうにしちゃって・・・・・・町田くんの目、とろんってなってるよ・・・・・」

「あああ、ますひゃさ・・ああああ」

「ああ、これ以上はまずいな。自分が押さえきれなくなっちゃう」


 どさっ。

 千鶴が拘束をほどくと、町田の体が地面に落ちた。

 息も絶え絶えといった様子の町田。

 顔は涙と涎で汚れており、さきほどの調教で町田は負け犬のような情けない表情を浮かべていた。


「・・・・・・かわいい」


 千鶴がぼそっと言う。

 子宮をノックするように押し寄せてくる快感に、千鶴は自分を押さえられなかった。


「すごい涎」


 恍惚とつぶやいた千鶴は、地面に倒れた町田に近づき、その顔面を大きく舐めた。

 千鶴の舌が町田の顔を蹂躙する。

 ソフトクリームを舐めるみたいに、舌を大きくだして、千鶴は町田の涙を舐めとった。


「ふふっ、しょっぱい」


 舌で唇を舐めながら彼女は言った。

 そこには妖艶な娼婦よりも艶めかしい少女がいた。

 目をとろんとさせて、恍惚の表情で涙を舐めとる千鶴。

 そんな彼女を見て、町田もまた、崇拝にも似た感情を千鶴に感じるのだった。


「こらから先、楽しみだね、町田くん」

「う、あああ」

「とりあえず、明日は今日の続きからだからね。覚悟しておくように」


 ふふっと妖しく笑って、千鶴が言った。


「身も心も、たああっっぷり、犯してあげる♪」

つづく