潰してあげる。

 その言葉の意味を町田は最初よく分からなかった。

 これほど凄惨な拷問の、まだ先があるのかと思うと、町田は自分の体がガクガクとふるえるのを感じた。

 さらに、周囲の女子部員たちのはやし立てるような様子にも違和感を覚えた。

 まるで、これから始まることが今回の目的だったみたいな、そんな盛り上がり。

 いったい、これから何が始まるんだろうと、町田は不安にかられた。


「それじゃあ、ちょっと押さえつけてくれる?」


 彩華が周囲の女子部員たちに言った。

 彼女たちは、慣れた手つきで男の両手両足をそれぞれ抱きかかえた。

 豊満に育ちきった少女たちに、手足を拘束される男。


「はい、ご開帳〜♪」


 バカにしたような少女たちの甘い声とともに、両足を抱きかかえる少女たちが、男の股を勢いよく開いた。

 両足を広げられ、自分の逸物をさらけだされてしまう。

 既に彩華によって男は全裸にむかれている。

 男の逸物が剥きだしにされ、それを周囲の女子部員たちが「くすくす」笑いながら眺めている。


「ふふっ、ちっちゃ〜い」

「恐怖で縮こまってしまってますね。情けない」

「先輩、下級生の女の子たちが、そんなに怖いんでちゅか〜」


 バカにされる男は、しかし、目の前の彩華に釘付けだった。

 地面に倒され、床に縫い止められるように手足を拘束されている男。

 そんな彼からして、目の前に仁王立ちになる彩華は、どれほどまでの迫力だろうか。


「ほら、舐めなさい」


 彩華が、片足をあげ、男の顔面前に自分の足を差し出した。


「これから、あなたのものを潰してくれる足よ。しっかり奉仕なさい」

「ウウッ・・・・・」


 ぺろぺろぺろ。

 言われたとおり、彩華の足を舐め始める男。

 周囲に下級生の女子部員がいることなんて関係ない。

 彼は、一心不乱に、彩華の足を舐めていった。

 そんな様子に満足そうな彩華。

 彼女は、ひとしきり舐めさせると、言った。


「はい、もういいわよ」


 彼女は獰猛に笑った。


「かかと落としで潰すわ」


 *


 彩華の右足が天高く振りあげられた。

 驚異の柔軟性。

 新体操の選手のように、自分の頭よりもさらに高く、自身の右足を振りあげる。

 その逞しい太股は神々しいほどで、うっすらと延びた筋肉の線と、むちむちとした柔らかそうな足のコントラストが見る者を圧倒する。

 その迫力。

 男は彩華を見上げる形。

 その高く振りあげられた足を見て、恐怖に顔は歪み、今さらながら全身を暴れさせてなんとか逃げようとする。

 しかし、そんな抵抗を許すほど、女子部員たちは甘くない。

 男の命がけの必死の抵抗も、くすくす笑いながら完全に無効化。

 弱い、弱い男。

 自分たちに抵抗らしい抵抗もできない情けない男。

 そんな男を見下ろす彩華は、妖艶な笑みを浮かべて、動いた。


「はい♪」


 どっすううううんん!!

 ベギブジイイイ!!


 そのまま彩華のかかと落としが、男のシンボルを潰した。

 強靱な彩華の右足が男の股間に突き刺さっている。


「ッヒッギャアアああばいああいあ」


 男が言葉にならない悲鳴をあげた。

 顔面は蒼白を通り越して真っ白になり、口からはぶくぶくと泡を吹き出す。

 目も裏返り、白目をむいてしまった男は、びくんびくんと陸にあがった魚のように痙攣し始めていた。


「はい、終了」


 簡単に彩華が言った。

 最後にぐりぐりと男の一物を地面で潰すと、解放して仁王立ちになる。

 それは男を押さえつけていた周囲の女子部員たちも同じだった。

 1年生の女子部員たちは、男を取り囲むようにして仁王立ちになった。

 そして、圧倒的な高身長から、地面で痙攣する男を見下ろす。

 その滑稽な姿に、少女たちは皆、一様に笑っていた。

 くすくす笑い、腹をかかえての爆笑、侮蔑をこめた嘲笑。

 男としてのシンボルを破壊されてしまった犠牲者を前にして、少女たちはどこまでも残酷になれた。


「アハハっ。これで、21人目ね」


 獰猛な笑みとともに彩華が言う。

 彼女は携帯電話を取り出すと、それで男の姿を撮影した。

 周りの女子部員たちも、それにならうように撮影を開始する。

 彩華は、ひとしきり皆が撮影するのを見届けると、男の髪の毛をつかんで立ち上がらせた。


「ほら、立ちなさい」

「う・・・うううう」


 まだ意識は戻っていない男。

 彩華は、そんな男の髪の毛をつかみ、宙づりにして、男の顔面を自分の目の前にもってくる。

 その情けない様子がよく見えるように。

 じっくりと、目の前の男を観察した彩華は、背後から、男の両足をかかえこんで持ち上げた。


「ほら、股を開いてあげるわ。よく見えるようにね」


 言葉どおり、男の股を開き、背後から男を抱き抱える彩華。

 まるで、赤ん坊のように縮こまってしまった男が、彩華の腕の中で、宙に浮かぶ。

 股を開いたせいで、周囲の人間にはよく見えた。

 男の潰れてしまったもの。

 小さく、小さく縮んでしまった男のもの。

 それを見て、周囲の女子部員がひときわ大きく笑った。


「ねえ、あなたもこうなるのよ」


 いつの間に近づいてきたのだろう。

 彩華が町田の目の前にきていた。

 壊した男の一物を誇示するかのように、男を町田の真正面に見せつけてくる。

 町田からも、男のものがどうなっているかがよく見えた。

 信じられなかった。

 ついこの前まで中等部生だった女の子が。

 3年生の男子を圧倒し、その一物を潰してしまったのだ。

 町田は、見下ろしてくる彩華の視線に耐えられず、下をむいてしまった。


「ま、せいぜい媚びを売ることね。明日から、あなたがこいつの代わりに、女子部員の男子マネージャーになるんだから」


 言うと、彩華は男を地面に投げ出した。

 地面に倒れた男の顔面を足で踏む。

 ぐりぐりと生足で男の顔面を踏みつぶす彩華。

 その行動はあまりに自然で、彩華という女性のサディスト性を顕著に現していた。


「明日まで、せいぜいつかの間の自由を味わっておきなさい。明日から、たっぷりと虐めてあげる」


 うれしいでしょ、と言い残し彩華は部室から出ていった。

 町田は、明日からの自分の生活を考えると絶望に落ち込むしかなかった。

 下をむいて落ち込む町田のことをくすくす笑いの女子部員が見つめている。

 町田の受難の日々は始まったばかりだった。




(続く)