町田は黙々と部室の掃除を続けた。

 丹念に、一つの汚れも見落とさないようにと、雑巾がけをする。

 そんな中、町田の心の中は屈辱と恐怖でいっぱいだった。

 下級生の女子。

 彼女たちは自分よりも一つ年下の女の子なのである。

 それなのに、自分は彼女たちのことを先輩と呼び、敬語を使わされる。

 さらには、日中のグラウンドでスパイクを磨かされ、昼休みには顔面騎乗されて、永遠、窒息の恐怖に苛まれた。

 これが彩華だけだったならば、まだ納得できたかもしれない。

 一人だけの例外。

 千鶴のような規格外の存在として、町田としてもまだ納得ができたかもしれない。

 しかし、1年生部員6人全員が、とんでもない高身長と怪力をもっているのだ。

 その日常会話からして、出てくるのはいかに男子を虐めているかという悲惨な内容ばかり。

 ついこの前まで義務教育を受けていた女の子たちが、ここまで残酷に、サディスティックになれるのかと、町田は恐怖で震えた。


(千鶴さん・・・・・)


 その恐怖に苛まれながら思うのは千鶴のことだ。

 今、彼女はどうしているのだろうかと、町田は彼女の姿を思い浮かべながら思った。

 思えば、彼女に虐められているときには、これほどまで屈辱や恐怖を感じなかった。

 されていることは同じかもしれない。

 胸で潰され、太股で潰される。

 あの大きな胸で、往復ビンタだってされた。

 それでも、今ほど苦しいと思ったことはなかった。


「はやく会いたいよ、千鶴さん」


 思わず呟き、自分の気持ちを確認する町田。

 自分はどうしたって彼女に惹かれていているのだと、再度、自分の気持ちに気づく町田だった。


(なんとか、千鶴さんが帰ってくるまで持ちこたえないと)


 あの残酷な1年生部員たち。

 心優しい優子を除けば、彩華を含めた5人とも、自分のことを破滅させる力をもった女の子たちだ。

 彼女たちの虐めになんとか耐え抜き、この夏休みを乗り切ろう。

 そして、千鶴に会ったとき、そのときはちゃんと自分の気持ちを伝えよう。

 告白、しよう。

 大好きな彼女に、今の気持ちを。

 そう思うと、町田としても、この状況を乗り越えられる気がした。

 まずは部室の掃除だ。

 とにかく、汚れ一つなければ、教育的指導と称した男子虐めもなくなるはず。

 そう考えた町田は、せっせと手を動かしていった。

 その自分の考えが、どれほど甘いか気づかないままに。


 *


 太陽が夕焼けとなってから落ちていった。

 グラウンドを暗闇が満たす。

 クールダウンも終わって、後片づけも終了。

 そして、少女たちが部室に帰ってきた。


「へー、ちゃんと綺麗になってるじゃない」


 彩華が部室を眺めながら言った。

 1年生部員全員が部室の中にいた。

 彼女たちは丹念に部室をチェックして、汚れがないか確かめていた。

 皆、感心したように驚いた表情を浮かべていた。


「完璧じゃん。よかったわね、あんた」


 彩華が言った。


「少しでも汚れが残ってたら、舐めて綺麗にしてもらおうと思ってたんだけどねー」


 冗談とも思えない言葉に、町田は背筋が凍った。

 でも、これで一安心だ。

 これなら、教育的指導なんてされないで済む。

 そう考えた町田はやはり甘かった。


「それじゃあ、最後の仕事してもらおうかな」

「さ、最後の仕事」

「そうよ。わたしたちの練習着、洗濯するの」


 言って、彩華はおもむろに上のユニフォームを脱いだ。

 上一つのボタンをはずして、そのまま首からユニフォームを脱ぐ。

 彩華のボリュームのある茶髪がふわっと宙に舞い、町田の鼻孔をいい匂いがくすぐった。

 脱いだ拍子に、彩華の爆乳がぷるんと揺れた。

 当然だ。

 布地の薄いアンダーシャツ姿。

 さきほどまでの胸のふくらみを上回る柔らかそうな二つのふくらみ。

 その光景に、町田は目を奪われてしまった。


「ほら、これ、回収しなさいよ」


 言って、彩華が上のユニフォームを町田に手渡す。

 町田はそれを受け取った。

 暖かかった。

 当然、汗もかいているのだろうが、少女の香水の匂いとがあいまって、腰が抜けてしまうような甘ったるい匂いがした。

 女の子が服を脱ぐという光景に慣れていない町田はそれだけで興奮してしまうというのに、その暖かさと匂いとで、どうにかなってしまいそうだった。


「じゃ、わたしも着替えようっと」

「わたしもわたしも」


 言うなり、少女たちが無造作に練習着のユニフォームを脱いでいく。

 総勢6名の少女たちが、目の前に男がいるにもかかわらず、着替えを始めたのだ。

 なんのためらいも見せずに、上着を脱ぎ、アンダーシャツも脱いで下着姿になる。

 大きく万歳をしてアンダーシャツを脱いだ瞬間、大きく育った双丘がそそりたち、勢いよく震えた。

 その光景に、町田は目だけではなくて心も奪われてしまう。

 町田は少女たちから目が離せなくなってしまった。


「はい、これもよろしくかな」

「マジ、ちゃんと洗っといてよ」

「汚れが残ってたらお仕置きですからね」


 下着姿となった少女たちから、ユニフォームを預かる。

 その受け取る瞬間に、彼女たちの豊満な体を真正面から見据えることになってしまった。


(で、でかい!)


 身長だけではない。

 胸がとてつもなくでかかった。

 新入生の女子生徒とは思えないほど、育ちきった肢体。

 それがこうも並び立つとすごい迫力だった。

 当然、町田の下半身も反応してしまう。


(ま、まずいよ。こんなところで・・・・)


 町田はそれをなんとかおさえようとするのだが、生理現象はどうしようもない。

 目の前のスタイル抜群の女子生徒たち。

 手には彼女たちの温もりと匂いが感じられる衣服。

 それだけ揃えば、結果は自ずとしれた。


「あ、ああ」


 いきり立ち、自己主張を始めた町田の分身。

 町田はそれをなんとかごまかそうと、自然と前のめりになる。

 少女たちを前に、勃起してしまったことを知れたら・・・・・。

 年上の男としての尊厳。

 そんな町田のプライドなど、目の前の少女たちにかかれば、あっと言う間に折られてしまうものだった。


「ちょっと、なんで前かがみになってるの」


 彩華が言った。

 町田の目の前。胸の下で腕を組んでいるせいで、その谷間がすごいことになっている。

 町田の視線は一点に集中してしまい、さらに固さを増してしまうのだった。


「まさか、わたしたちの体に欲情してるんじゃないわよね」


 ニヤニヤ顔の彩華だった。

 彼女は答えを知っている。町田がなぜ前かがみになっているのか。その原因も含めて彼女は知っている。

 彩華が続けた。


「マネージャーなのに、部員の体で欲情なんてするわけないわよね」


 町田に一歩づつ近づきながら、


「もし欲情なんてしてたら、教育的指導が必要になっちゃうわよ」


 ニヤニヤ。絶好の獲物を目の前にした肉食獣のように。


「欲情してないか。確かめてあげる」

「わ、やめ、」


 彩華が町田の衣服を手に取り、それを強引に脱がしにかかった。

 まずは、上半身。

 町田は必死に暴れるのだが、彩華の怪力を前にして抵抗など無駄だ。

 上半身の次は下半身。

 くすくす笑いの中で、町田は彩華に身ぐるみをはがされていった。

 あっと言う間に、町田は全裸にされてしまった。

 パンツまではぎ取られて、町田は生まれたままの格好で、年下の少女たちの前に立たされた。


「う、ううう」


 まるでレイプされた女の子のように町田はうめき声をあげていた。

 衣服をはぎ取られ、少女たちを前にして強制的に立たせられる。

 なけなしの尊厳から、町田は両手で自分の急所を覆って隠していた。

 見られたくない一心で、完全に立ち上がったものを両手で隠す。

 そんな町田を見て、少女たちはくすくすと笑った。


「手、どけなさい」


 彩華が言った。

 町田はすがるように目で彩華を見た。


「聞こえなかったの? 手をどけろって言ったんだけど」

「やだああ、やめてえ」

「・・・・・・・・・」


 聞き分けの悪い子供のように駄々をこねる町田。

 そんな様子を見て、彩華が目を細めた。

 女王の貫禄で彼女が言った。


「ーーーどけろ」

「う、ああああ」


 その迫力。

 殺気じみた貫禄で言われ、町田は一切の抵抗力を失ってしまった。

 年下の女の子に命令されて、

 新入生の女子生徒に命令されて、

 町田は、自分の一番大事なものを隠す防御をすべて取り払われてしまった。


「うわー、ちいさーい」

「あれで立ってるとか、情けないかな」

「無様ね」


 町田のものを嘲笑で迎え入れた少女たち。

 町田は涙を流し始めた。

 こんな屈辱は初めてだった。

 少女たちに男の尊厳を踏みにじられていく。


「勃起してたわね」


 彩華が言った。


「教育的指導が必要ね」


 にんまりと笑って彩華が町田の体を掴んだ。

 見上げる形の町田は、彩華のその女豹のような表情を見て、恐怖にひきつった。


「乗馬地獄で虐めてあげる」


(続く)