女尊男卑






 共同生活が始まって1週間が経過していた。

 娘は父親であるわたしに敬意をもって接してくれ、うれしいかぎりだった。

 優しい娘は損なわれていない。

 久しぶりに心休まる日々だったといってもいい。

 ただ、どうしても見るのを避けたい光景もあった。

 これさえなければ本当に幸せだといえること、それは、


「ジュ・・・・・じゅぱっ・・・・・じゅじゅッ」


 粘着質な音がリビングに響いていた。

 わたしと娘は一緒にソファーに座っていた。

 テレビのほうへと視線を固定しているのだが、ちらちらとソレが目に入ってしまう。

 娘に連れてこられた男子生徒。

 彼が、娘の足元に跪き、彼女の足をぺろぺろと舐めている姿が・・・・・・・。


「先っぽ、ぜんぜんきれいになってないよ」


 冷たい声色と、冷たい視線。

 娘は、わたしに対する態度とは180度違う冷酷さをもって、男子生徒に接していた。

 時刻は17時。

 学校から帰った娘はソファーに座ると、足を掃除するよう男子生徒に命じたのだ。

 お掃除と言われて、なにをするべきかは決まっている。

 男子生徒はうやうやしく娘の靴下を脱がすと、そのまま足先を口先に含んで舐めていった。

 一日中歩きっぱなしで、汚れた足を・・・・・・

 年下の少女に命令されて、ぺろぺろと舐める。

 わたしは、調教が始まったとき、リビングから出ていこうと思った。

 男が調教される姿を見たくなかったのだ。

 それも、実の娘が・・・・・・

 愛する娘が調教している姿など・・・・・・・

 しかし、娘はこう言ってわたしのことを引きとめたのだった。


「お父さん、ちょっと待って」

「え?」

「お父さんにも調教見ててもらいたいの。それで、あとでアドバイスとかもらいたいんだ」

「いや、でも」

「ね、お願い」


 男子生徒に足を舐めさせながら、手をあわせてお願いしてくる娘は、親の視線を通さなくてもかわいいものだったろう。

 それからというもの、わたしは娘の調教活動を見守ることになった。

 いまも、愛する娘は、冷たい瞳をもって、舌をはわせてくる男子生徒のことを見下ろしている。


「ほら、もっと速く舌を動かしなよ」


 脚を組んで、頬づえをつきながら娘が言う。

 命令に対して、男子生徒は必至で舌をはわせていった。

 ジュパ・・・ジュジュッ・・・・

 プライドを捨て、自分にできる精一杯の奉仕をする男子。

 しかし、


「・・・・・・ダメだね。お仕置き」


 冷酷な声だった。

 娘はすぐに能力をつかった。

 男の顔面が勢いよく娘の足裏に吸い込まれていった。

 右足の裏が、男の顔面が覆い尽くした。すぐに、左足で男の後頭部を抑え込む。

 娘はあっという間に、男の自由を奪ってしまった。


「んぬううううッ、ひいぶうぶ」


 男子生徒がもだえ苦しむ。

 娘の足裏は男の口から鼻にかけてを覆い尽くしていて、息ができない。

 しかも、娘はギリギリと足だけで男のことを締め付けているらしかった。

 頬づえをつきながら、まったくの余裕で男にお仕置きをする娘。

 そんな余裕な娘に対して、男は半狂乱になったように暴れまわっている。

 両手を娘の足にあてがい、なんとか足裏から解放されたいと必死にもがく。

 それを、娘は冷徹に見つめるだけだった。


「ん・・・・・・あ・・・・・・」


 ばたん、と力なく宙をさまよっていた男の両腕が落ちた。

 体がびくんびくんと痙攣している。

 気絶したのだ。

 興味なさそうに一部始終を見つめていた娘が、ようやく男を許し、足をはなしてやった。


「なさけない顔」


 言うと、娘は男の顔面を踏んで遊びはじめた。

 ぺしぺしと足裏で叩いたり、

 ぐりぐりと蹂躙して男の情けない顔をさらに惨めなものにしている。

 それを娘は淡々と行っていた。

 男をいじめることに快楽を感じていない。

 これが義務だから仕方なく行っているだけという様子だ。

 彼女はひとしきり男の顔面を踏むと、ふうとため息をついてから言った。


「お父さん、どうだった?」

「な、なにがだい」

「わたしの調教、ちゃんとやれてたかな」


 少し恥ずかしそうにほほ笑む娘。

 その可愛らしい表情に反して、彼女の足は男の顔面を足置きにしている。


「え、ええと」

「やっぱり、ちょっと甘いかな。もっと厳しくやったほうがいいと思う?」

「いや、十分だと思うぞ」

「ううん。もっと厳しくしなくちゃダメだよ。このまま反抗的なら、この子、処分されちゃうもん」

「処分?」

「そうだよ。懲罰委員会はお父さんも知ってるでしょ?」


 もちろん知っていた。

 わたしたちの活動は、その懲罰委員会の目を盗みながらされざるをえない。

 みつかったものの末路は決まっている。

 不意打ちが成功しない限り、どんな武器をつかっても男は女に勝てないのだ。

 懲罰委員会に目をつけられた男は、悲惨な最期をむかえることになる。


「はーあ、最近忙しいから、調教も軽くすませたいんだけどね」

「忙しいって、部活動か?」

「ううん。違うの。わたし、部活動には入ってなくてさ。委員会活動が忙しいんだ」


 んんッと猫のように体を伸ばす娘。

 形のよい大きな乳房が制服ごしに強調される。

 わたしは所在なさげに目をそらすしかなかった。


「よし、休憩終わりっと!」


 娘は、よいしょっとソファーから降りた。


「じゃあ、続きをやるから、お父さんもちゃんと見ててね♪」


 部活動での活躍を見ててねと、満面の笑みでいうようだった。

 わたしは、顔をこわばらせて、コクンとうなずくことしかできなかった。

 娘はいきなり男子生徒にビンタをくらわせた。

 バシイインッ! 空気が震える。

 それでも起きなかった男に、機嫌を悪くした娘は、男の胸倉をつかむと強引に立たせた。

 そして、わたしには視認できない速さで往復ビンタをし始める。

 バシイイン! ビシバシ! バッチイイイインン!

 往復ビンタは何回も続き、男が意識を取り戻しても娘はビンタをやめなかった。

 無表情のまま、ただ事務的に男をビンタしていく娘の姿を見て、わたしは縮みあがってしまった。

 それとともに、計画をはやく遂行しなければならないと思った。

 愛すべき娘に、こんな異常な調教をやらせないためにも、

 男女平等のための戦いを一刻もはやく完遂しなければならない。

 わたしは、本部からの指令を待ちわびた。


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