日曜日当日。

 私たちは車ででかけた。

 運転席には私が座り、娘は後部座席でゆったりくつろいでいる。

 彼女の格好は夏本番を迎え、さらに露出度の高いものになっていた。

 薄い布地のシャツは極端に短く、へそまで出ている。

 ジーンズ柄のホットパンツもまた短く、尻のラインがさらに強調されていた。


「むふう・・・ムムムッ!」


 そして、その娘の尻の下には、男子生徒の顔面がある。

 娘はまたしても、男子生徒の顔面をクッションにして後部座席に座っているのだ。

 私は、その艶めかしい尻が、男の顔面を補色している光景を、バックミラーごしにちらちらと盗み見してしまっていた。


「どうして、その子も一緒なんだい」


 私は、当初からの疑問を口にした。

 それに対して、娘は、


「え、その子ってどうい・・・・・・ああ。その子って、こいつのこと」


 ぐりぐりと、ことさらに尻を男の顔面にこすりつけてから、娘が続けた。


「だって、荷物番とか必要じゃない。私たちが海で遊んでいる間、こいつには荷物を見ておいてもらおうと思って」

「そ、そうか」

「そうそう。それに、ほかにもいっぱい使いようもあるしさ」


 そう言って、娘は妖しく笑った。

 その笑顔に、私はどきっとしてしまった。

 男のうめき声が、いつまでも車内に響いていた。


 *


 海に着いて、荷物をおろす。

 着替えをすませ、私は一人、パラソルを広げた。

 娘が着替え終わるのを待ちながら、私はすることがなくなってしまって、ビーチをぐるりと見渡してみた。

 青い海と、どこまでも広がる浜辺。

 そこでは海水浴客たちが、それぞれの水着に着替えて我が物顔で闊歩していた。

 やはり、女性の姿がよく目立つ。

 そのスタイルの良さ。

 大胆に露出させた肢体をさらけだしながら、彼女たちは誰に気兼ねすることなく、夏のひとときを満喫しているようだった。


「お父さん、おまたせ」


 弾むような声がして、私は振り向く。

 ビキニ姿の娘がそこにいた。

 美しい女性だった。

 逞しい太ももは周囲を威圧するように長く伸びており、腰のくびれはマンガの中のように細い、胸は芸術品のように形よく大きくて、肌のはりもまた紫外線に負けないようなみずみずしさに満ちている。


「それじゃあ、さっそく泳ごっか」

「そ、そうだな」


 私は、ちらちらと娘を盗み見することをやめられなかった。

 母親に似てきた娘。

 女性としてすでに体は成熟しきっている。

 残酷な、嗜虐性に満ちた成人女性の体だ。

 そんな彼女の体は、私に、今までの調教を思い出させるのに十分だった。

 娘の体を見るたびに、私は恐怖にふるえ、絶対服従を誓いそうになる。

 しかし、そんな娘の体は私に劣情をさえもたらしていた。
 
 その二重苦に苛まれながら、私は娘と共に、夏の海を満喫した。


 *


 久しぶりに娘と過ごす日曜だった。

 彼女は海に入って勢いよく泳いだり、私に水をかけたりしてきた。楽しそうな娘の姿。はじけんばかりの笑顔。

 しかし、彼女の行動すべてが、私に男と女の性能の違いを思い知らされた。

 娘はイルカのように速く泳ぎ、私を圧倒した。

 幼年期の頃によく行っていた泳ぎの勝負を彼女は私に申し込んだ。

 彼女は軽々と豪快な泳ぎを披露し、私を圧勝した。

 娘は、まったく勝負にならないほどの距離を広げて、父親である私に勝利したのだ。

 昔は、私が手加減をして、父親の威厳を見せつけてきたというのに。

 今となっては、私は娘の足下にも及ばないほど能力が低い。

 男性は女性に劣った存在である。

 そのことを私は、まざまざと娘に教えこまれるようだった。

 泳ぎの勝負で勝ったとき、娘が勝ち誇ったように浮かべた笑顔が、脳裏にこべりついて離れなかった。


「ふうー、いや遊んだねーお父さん」


 パラソルの下、娘が座り込んで海を眺めながら口を開いた。

 すでに浜辺には太陽が落ちはじめ、たそがれ時のような時間になっている。

 日差しも弱まり、夏の喧噪も落ち着いたものになってきていた。夕方の気配が、浜辺を支配しつつあった。


「楽しかったね、お父さん」


 にっこりと笑顔で、娘が私に問いかける。

 しかし、私は彼女に答えることができず、まじまじと娘の尻を凝視していた。

 露出した大きなお尻にに捕らわれている男子生徒。

 またしても、娘は男の顔面をクッションにしているのだった。

 肉食動物が草食動物を捕食している。

 それほどまでに過激な光景だった。

 水着姿でさらに露出を多くした娘の桃尻は凶器といっても過言ではなかった。

 大きくて、それでいて美しさを失わない娘の尻には、柔らかさと共に畏怖を感じさせるような威圧感があった。

 男子生徒の顔面の倍ほどはあるお尻。

 そこに捕らわれ、捕食されて、男子生徒はさきほどからうめき声すらあげられないほどの地獄の中にある。

 娘のはりのある尻、その瑞々しい肌に顔面のすべてを密着され、押しつぶされて、男子生徒の体は次第に痙攣し始めた。

 段々と、男の抵抗は弱まっていく。

 男の生命が、女性に刈り取られていく。

 その圧倒的なまでの力の差、身分の違いを示すような残酷な光景。

 私は、そんな娘の強さに、怯え、それでいてどこか心惹かれるようなものを感じながら、顔面を押しつぶされる男子生徒を見つめるしかなかった。


「お父さん、のど乾かない?」


 娘が言った。

 私はハっとして、娘の臀部から視線をあげた。


「あ、ああ。そういえば乾いた気がするな」

「そうだよねー、いっぱい動いたもんね」


 そう言うと彼女は大きく伸びをした。

 魅力的な肢体が大きく強調され、彼女の胸もまた前方にはりださんばかりに強調される。

 私は冷や汗をかき、視線をそらすのに必死だった。


「じゃあ、こいつに飲み物買わせてこよう」


 娘は言うと立ち上がって、男子生徒のことを見下ろした。

 立ち上がった彼女は冷ややかな視線で、男を見下ろす。

 その長身。美しくも逞しい二本の長い脚。

 見ているだけで力の差を見せつけるような彼女の大きな体が、迫力満点に目の前に広がった。

 私は、首をあげて娘のことを見上げるしかなかった。


「あれ、こいつ気絶しちゃってる」


 不機嫌そうに言う娘。

 私は、見とれるように見上げていた娘の体から視線をはずすと、浜辺に横たわる男子生徒へと視線を落とした。

 体中の力が抜けてしまった男の姿がそこにはあった。

 白目をむき、口からはブクブクと泡をふいて、涙と鼻水でぐしょぐしょに汚れた男の顔。

 気絶させられてしまったのだ。

 またしても、女性のお尻で。

 柔らかく艶めかしい女性の桃尻で、顔面を押し潰され、窒息させられて、気絶させられてしまったのだ。

 ごくっと、なぜか私は唾を飲み込んでしまった。


「しょうがないなー。これじゃあ、役にもたたないじゃん」


 娘は仁王立ちのまま、乱暴に男の顔面を足裏でごつごつと押しつぶした。

 男の顔面をバスケットボールにして、足でドリブルをするような苛烈さをもって、娘は何度も何度も男の顔面を乱暴に踏みつぶす。

 それでも気絶から目を覚まさない男を見て、娘は呆れたように言った。


「仕方ない。私が飲み物買ってくるよ」

「え、いや、それは私が」

「いいからいいから。お父さんはここで待ってて。ね」


 言うと、娘は大きな体をひるがえして颯爽と海の家のほうへとむかっていった。

 後には、娘の尻で押しつぶされ、気絶させられた男と私が残された。

 浜辺にはおだやかな波と夕焼け空が広がっていた。

 そんなおだやかな空気が流れている中、私は油断していた。

 この世界がどんなにも残酷なものなのか。

 男の私が、娘から離れて一人残されたら、どんな仕打ちを受けることになるのか。

 男性の身分。

 女性の性癖。

 その時点の私は想像もつかなかったのだ。

 数分後、気絶した男子生徒よりも悲惨な目に、私があうことになるだろうとは・・・・・・・

 娘からあんな仕打ちを受けることになるとは。

 実の娘から調教を受けることになろうとは。

 私には想像がつかなかった。



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