眠りから覚めて、見知らぬ天井に戸惑う。

 ここはどこだろうと考えること数秒。

 自分がいるのは、奈津美の部屋であることに唐突に気づいた。

 入学式から今まで、奈津美と二人で暮らしてきた部屋。

 その中の寝室で、俺はいつものように目をさましたのだった。


「奈津美は・・・・もう起きてるのか」


 隣を見ると、そこに奈津美の姿はなかった。

 おそらくもう起きて、朝食の準備をしているのだろう。

 まだ隣には奈津実の体温が残っていて、ぬくぬくとしていた。


「しかし、激動の一週間だったな」


 俺は入学式から今までの日々を思いだしていた。

 その記憶は、女の子たちによる調教の記憶といってよかった。

 嬲られ、犯され、調教される。

 男が女の子に反抗しないように、心の底から忠誠を誓うように、女の子たちは調教をほどこしていった。

 俺もあれから、奈津美に何度も調教されたものだ。

 しかも俺の場合、24時間体制での調教なのである。

 ほかの男子は、学校から寮に帰りさえすれば、そこには危険のない楽園が待っているのだろう。

 しかし、俺は違うのだ。

 家に帰ってもずっと奈津美と一緒。

 寝る時も一緒という状況なのだから、その地獄は計り知れないものがあるだろう。

 寝坊しようものなら顔面騎乗で起こされ、しかもそのあと奈津美の桃尻で顔面を殴打され続けたり・・・・

 風呂に入っているときに背中の流し方がなっていないと、ベアバックで背骨を軋まされたり・・・

 考えられる限りの調教を、俺は奈津美から受けていた。


「でも、いよいよだな」


 俺はカレンダーを見て希望をもっていった。

 明日は、待ちに待った日だった。

 奈津美の苛烈な調教を受けながらも、精神が完全におれなかったのは、その日がくることを知っていたからだ。


「明日はいよいよ部活の初日だ」


 この学校の生徒は、なんらかの部活動に所属することが義務になっている。

 その部活の初日が明日なのだ。


「水泳なら・・・水泳なら大丈夫だ」


 小学校時代と同じように、俺は水泳部に入ることに決めていた。

 俺はこれでも、小学生のとき、水泳でかなりの選手として知れていた。

 だから、中学校でも活躍できるだろうと、そう思う。

 それが俺の精神をおらせない屋台骨だった。

 そりゃあ、力の差が歴然とはいっても、腕力が強いだけで早く泳ぐことはできない。

 そこには当然努力が必要なのだし、才能だって必要だった。

 だから、女の子との力の差がどうあれ、水泳ならば俺だって勝てるだろうと、そう思うのだ。


「そうだ。奈津美はカナヅチなんだから、少なくとも奈津美には・・・・」


 期待をもって俺は隣をみた。

 さきほどまで奈津美がいた場所。

 そこを見据えながら、俺は明日になれば奈津美にだって勝てるという思いを感じていた。


「奈津美・・・・」


 と、奈津美の体温が残る布団を目の前にして、変な感情が生まれるのを感じた。

 隣からは、奈津美のいい匂いがかぐわってくる。

 全身を包み込むような、雄を一瞬にして征服してしまうような女性の芳香が漂ってきていた。


「ゴク」


 気づいたら、俺は奈津美の枕に顔面を押しつけていた。

 大きな枕に顔をうずめる。

 そして、鼻腔いっぱいに奈津美の匂いを吸った。


「スウウハアアア!!」


 途端に、クラクラしてしまいそうないい匂いが全身を包んだ。

 鼻だけではなくそれが肺を征服し、下半身にまで行き渡るのを感じた。

 麻薬でもやったかのような高揚感だった。

 前後不覚に陥りそうになりながら、俺はさらに顔面を奈津美の枕に押しつけた。

 もう止まれなかった。

 奈津美の匂いを一つ残らず吸いたいと、俺は狂ったように鼻息を荒くして空気を吸った。

 目の前の奈津美の匂いにしか集中できなくなる。

 だから、俺はその足音に気づくことができなかった。


「翔ちゃん、ご飯でき・・・・・」


 現れた奈津美が息を飲むのがわかった。

 俺はそれで、唐突に我にかえった。

 ドアの近くに立つ奈津美の姿を見つめながら、俺は自分がしていた行為に驚愕していた。

 ・・・・・・・・お、俺はいったい何をしているんだ?

 奈津美の枕に顔を埋めたこと。

 鼻息荒く彼女の匂いを吸っていたこと・・・・。

 サアーと血の気が引いた。

 そんな俺を奈津美が呆然と見つめていた。


「翔ちゃん」


 と、そのとき奈津美はいきなり破顔した。

 俺が何をしていたのかを正確に知ったあと、奈津美はうれしそうに笑ったのだ。

 キラキラした瞳が喜びに満ち、奈津美は若干興奮気味な笑顔を浮かべていた。

 しかし、それは一瞬だった。

 奈津美は、自分を戒めるようにコホンと一息ついてから、厳しい表情を浮かべた。


「翔ちゃん、なにやってるの?」

「え? あ、いや・・・・」

「奈津美の布団に潜り込んで、奈津美の枕に顔を埋もれさせて・・・・翔ちゃんは何をやってたのかな」

「ご、ごめん、な、奈津美」

「お仕置きだね」


 言った瞬間、俺の体が一人でに宙に浮かんで、奈津美の方向へとたぐり寄せられた。

 女の子特有の能力だ。

 それで俺は宙を浮かび、強制的に引っ張られ、俺の体は奈津美の肩の上に仰向けの状態で乗ってしまった。


「ええと。確かこうだったかな?」


 奈津美はそのまま、俺の首と足をそれぞれ右手と左手でつかんだ。

 俺の背中が奈津美の肩の上に乗って、ぎりぎりと背骨を軋まされる。

 アルゼンチンバックフリーカーだった。

 俺はやけに近くなった天井を見上げながら、絶叫した。


「アガガアア!!」

「うん、完全に極まっちゃったね。もう脱出なんてできないよ」

「ヒッギイイイ!!」

「ほら、どんどん曲がっていくよ〜」


 陽気そうにいいながら、奈津美が力をこめていく。

 そのたびに俺の背骨が軋んで、バラバラになってしまいそうだった。

 奈津美の身長は高いから、必然的に俺の体も高い場所で拘束されることになる。

 自分では何もできない状況下で、相手に生殺与奪の権利を握られている恐怖。

 俺は幼なじみの肩の上で、ひたすら背骨を折り曲げられた。


「それで、翔ちゃんはさっき何をやっていたの?」

「さ、さっきいい!?」

「そうだよ。奈津美の枕に顔を埋めて、なにをしていたのかな?」


 まるで、最初から答えがわかっているような声だった。


「お、俺は、寒かったから暖かそうな奈津美の布団にッギャアアア!!」


 ベッギイイイイ!!

 すごい音がした。


「翔ちゃんの嘘くらいお見通しだよ? ほら、本当のこと言わないともっと力いれちゃうよ?」

「ひ、ひい!!」

「背骨折っちゃうからね」

「やめええ!!」

「やめてほしかったら、本当のことを言わないとね」


 ほら、とさらに力がこもる。

 ベギベギと俺の背骨がエビぞりになっていく。

 死の恐怖を感じたとき、俺は自然と自分の破廉恥な行為を告白していた。


「な、奈津美の匂いがあ!!」

「奈津美の匂い?」

「そ、そうだよ!! 奈津美の匂いがいい匂いだったから、我慢できなくなってええ!!」

「・・・・・・」

「お、思わず匂いを吸っちゃっッギイイ!!」

「ふ、ふ〜ん」


 自分の感情を隠すように奈津美はさらに力をこめた。

 俺は舌を飛び出させ、目を見開いて絶叫をあげるしかなかった。


「翔ちゃん、奈津美の匂い、そんなにいい匂いだったの?」

「そ、そうだッギャアア!! だ、だから、ごめ、ごめんヒイイ!!」

「そうなんだ。だったら・・・・」


 奈津美が力を弱めた。

 助かった。

 そう思った矢先、俺は間違っていることに気づいた。


「そんなに奈津美の匂いを嗅ぎたいなら、好きなだけ嗅がせてあげるよ」

「な、なにをヒイイイイ!!」


 肩の上から降ろされたと思ったら、すぐにまた拘束された。

 奈津美は俺の顔面を掴むと、自分の胸元へと誘った。

 目の前に、迫力満点の奈津美の巨乳が近づく。

 それだけではなかった。

 奈津美はいきなり、自分の上着をまくりあげたのだ。


「恥ずかしいけど、翔ちゃんにだったら・・・・」

「な、ななな」


 目の前には奈津美の生乳がある。

 ブラジャーをつけていない、美しい二つの双丘が、生まれたままの姿で鎮座している。

 真っ白な陶器のような肌とその頂点にあるピンク色の突起に目が点になる。

 そして、俺は勢いよく、その膨らみに顔面を埋もれさせられた。

 奈津美の生の乳房が、俺の頭部を包み込んだ。


「はい、完成だよ」


 俺の視界は暗闇に包まれた。

 どうやら、上着を元に戻したようだった。

 俺の後頭部には布の感触があり、目の前には柔らかな肉の塊がある。

 俺は、奈津美の胸と服にサンドイッチにされてしまったのだ。


「うーんと、足がちょっと邪魔かな」


 俺の頭部は胸の中に埋もれ、耳元まで柔らかいもので包み込まれている。

 だから、その奈津美の声もくぐもって聞こえた。

 その言葉のあと、俺の足と腕が一人でに奈津美の体を抱きしめるのを感じた。

 腕が奈津美の背中にまわり、脚が奈津美の胴体を挟み込むようにしてからみつく。

 奈津美の能力による動き。

 俺の体は、そのまま奈津美の体に縫いつけれるようにして固定化されてしまった。

 動きたくてもビクともしなかった。

 俺は奈津美の能力で、完全に固定されてしまったのだ。


「翔ちゃん、ちょっと苦しいだろうけど、息ができないってほどじゃないでしょ?」

「むむむうう!?」

「うん、大丈夫みたいだね。これで完成だよ」


 うれしそうな奈津美の声がくぐもって聞こえる。

 そして、奈津美はうれしそうに言った。


「翔ちゃんはこれから、奈津美のブラジャーになるんだよ?」

「むむむ!?」

「だから、翔ちゃんの顔面が、そのまま奈津美のブラジャーになるの。嬉しい?」


 サアーと背筋が凍った。

 ブラジャー?

 俺の顔面が奈津美の胸をガードする下着になるって・・・・・そういうのか。


「これなら、いくらでも奈津美の匂いを嗅げるよ。今日一日中ね」

「むうううう!?」

「泣いてもダメだからね。絶対許してあげない。今日はお仕置きとして、翔ちゃんはずっと奈津美のブラジャーになるの。がんばってね」


 くぐもった声をきくたびに、俺は絶望的に思いにかられる。

 一日中このままなのだ。

 顔面を奈津美の生乳に埋もれさせて、一日このまま拘束されるのだ。


「さてと、じゃあ奈津美はご飯にしようかな」


 言うと、奈津美は歩きだしたようだった。

 振動が体に伝わる。

 そのたびに、奈津美の巨乳がユサユサと蠢いて、俺の顔面を擦りついた。

 奈津美は、俺を体に巻き付けているというのに、まったく行動に支障を感じていないようだった。

 ドアを開け、廊下を歩き、台所で料理の準備をする。

 そして、料理をテーブルに置く音が聞こえたあと、奈津美は椅子に座ったようだった。


「いただきます」


 一人言い、奈津美は朝飯を食べ始めた。

 その間も、俺は奈津美の胸に顔面を埋もれさせ、体を奈津美の体に巻き付けさせられて、拘束されている。

 ブラジャー・・・・。

 奈津美の下着・・・・。

 視界が暗闇に染まり、柔らかい感触が頭部を優しく包み込んでいる。

 息苦しいが、それでも窒息することはないようだった。

 耳元まで奈津美の生乳に埋もれている状況下で、奈津美の発する生活音を聞いた。

 おいしそうにご飯を食べる音が、くぐもって聞こえてくる。

 奈津美はご飯を食べているのに、俺は食べれない。

 当然だ。

 だって俺は物になったのだから。

 奈津美の下着になってしまったのだから、人間のようにご飯を食べれるはずがないのだ。

 俺は、意識がだんだんと薄れていくのを感じた。

 自然と、俺は鼻腔いっぱいに奈津美の匂いを吸い込んでいた。


「スウウウ!!」


 目を虚ろにさせ、その匂いに集中する。

 それは自分が行っているようには思えない破廉恥な行為だった。

 意識が薄れていく中で、俺は奈津美の匂いに全身を支配されていった。


「スウウウウウウ!!」

「もう、翔ちゃん。くすぐったいよ」


 咎める口調ではなく、楽しむように奈津美が言った。

 その声に我にかえることなく、俺は物になって、奈津美の匂いを吸い続けていた。

 これ以上はまずい。

 もう戻れなくなる。

 そう思っていても、俺はやめられなかった。

 顔面に奈津美の巨乳を感じながら、俺は彼女の匂いで頭がボンヤリするのを感じていた。


「ごちそうさまでした」


 立ち上がり、食器をもって流しに向かう。

 洗って、残り物をラップにくるんで冷蔵庫にいれる。

 それから、奈津美は日曜日の雑務をこなしていった。

 洗濯物をして、掃除機をかける。

 ゴミをまとめて、一階のゴミ捨て場へと赴く。

 部屋の外に出たのだ。

 外にでるときも俺はブラジャーのままだった。

 ユサユサと蠢く胸に顔をすり付けられながら、俺は奈津美の体にはりついて固定化されていた。

 エレベーターに乗ったとき、そこに人の気配がした。

 ・・・・・・・・・・・人に見られている。

 こんな格好になった自分の姿を人に見られている・・・・・。

 俺は、少しだけ自分の意識が人間に戻るのを感じた。

 全身が火照るような羞恥心がまきおこった。


「あ、千っちゃんおはよう」

「奈津美ちゃん? どうしたんですかソレ? 男の子、ですよね?」


 さらに悪いことに、エレベーターに乗っていたのはクラスメイトでしかも小学校から面識のある千早らしかった。


「え、ひょっとして、ソレ翔くんなんですか?」

「うん、そうだよ。いま、お仕置き中なの」


 やはり奈津美が嬉しそうに言う。

 千早は「へー」と感心したように言ったあと、


「それ結構いい調教方法かもですね。でも、ほかの男の子にソレをやるのは・・・・」

「そうだね。奈津美も翔ちゃんだからこんなことしてるけど、ほかの男の子にはちょっと嫌かも」


 そのとき、奈津美は片手で俺の後頭部をなでた。

 服ごしに奈津美の片手の感触が生まれた。

 は、恥ずかしい。

 物扱いされたうえに、奈津美に玩具のように扱われている。

 しかし、どうすることもできなかった。

 俺の体は完全に固定化されていて身動き一つとれない。

 奈津美のなすがままになるしかないのだ。


「じゃあね、奈津美ちゃん。また明日学校で会いましょう」


 エレベータが止まり、千早と別れた奈津美はそのままゴミ捨て場へと足を進める。

 それきり、奈津美は俺にかまわなくなったようだった。

 さきほどのように俺を撫でることもなく、話しかけもせずにゴミを捨て、部屋に戻る。

 すべての雑務を完了させて、奈津美はテレビを見始めた。

 ソファーに座って、大きな画面を見ているのだろう。

 その様子が、彼女の胸に顔面を埋もれさせながらも感じることができた。


「スウウハアアアア!!」

「・・・・・・・・」

「スウウウウ!!」

「・・・・・・・・」

「っすうううう!!」

「・・・・・・・・」


 匂いを吸っても、奈津美は最初のころのようにくすぐったそうにしなくなった。

 まるで、俺なんて存在しないかのように奈津美はテレビを見るだけだった。

 俺なんてシガにもかけないように・・・・。

 俺に匂いを吸われても何も感じないように、奈津美は俺のことを完全に無視していた。

 それは無自覚な無視だった。

 物に対する態度だ。

 ふつう、ブラジャーがどうなったって、何も思わない。

 だから、ブラジャーである俺が勢いよく匂いを吸い込んでも、奈津美はなんとも思わないのだ。


「すううううううう!!」

「・・・・・・・・・」

「すうはああああああ!!」

「・・・・・・・・・・」

「スウウウウウウウ!!」

「・・・・・・・・・・」


 俺は狂った猿のように奈津美の匂いを嗅ぎ続けた。

 顔面を巨乳の中に埋もれさせ、身動き一つとれない状況下で、俺はブラジャーになって役割を全うした。

 結局、それは本当に一日中続くことになった。

 奈津美の柔らかい胸い拘束され、永遠に物になる。

 夜になり、風呂にはいるときに俺というブラジャーをはずすまで、俺は奈津美の胸の中で一日を過ごすことになった。

 一日の終わりには、全身から奈津美の匂いがしていた。

 体内の中まで奈津美の匂いに征服されてしまった感じがある。

 風呂にはいってもその匂いは落ちなかった。

 俺は、奈津美の匂いで全身を染めあげられてしまったのだ。


「翔ちゃん、お疲れさま。けっこういい付け心地だったよ」


 ベットで俺の頭を撫でながら奈津美が言った。

 それは珍しく、おどけたような口調だった。

 俺のことをからかうような声色が言葉にはあった。

 段々と、調教以外の場所でも奈津美に主導権を握られ始めたような気がする。

 しか、どうしても抵抗する気になれなかった。

 俺は全身から発せられるその臭いと、俺の頭を優しくなでてくる奈津美から発せられる甘い芳香を感じながら眠りについたのだった。



(つづく)
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