男子寮とは比べ物にならないほどの豪華な玄関。

 なんの冗談か、女子寮の一階には豪奢なラウンジが広がっていて、どこぞの高級ホテルのような出で立ちだった。

 そこを通り抜け、エレベーターで10階へと向かう。

 30階建ての大きな建築物は、どう見ても女子寮という感じではなく、高級マンションのような雰囲気だ。

 5階建ての男子寮とは比べ物にならない豪華な出で立ち。

 しかし、これで驚くのは早すぎた。

 俺が一番度肝を抜かれたのは、奈津美の部屋に入ったときである。


「はい。ここが奈津美の部屋だよ」

「・・・・・・・・・・」


 口をあんぐりと開けて、俺はその部屋を見渡した。

 まず、広い。

 男子寮の6畳一部屋というみすぼらしさとは、天と地の差がある。

 フローリングの床は涼しげで、新築といってもいいほどに綺麗だった。

 大型のテレビと、その横に立つ観葉植物。

 キッチンも最新式のものが備わっており、こういう言い方しかできないのだが、非常にオシャレな感じがした。

 まさに、非の打ち所がない。

 高級マンションの一室。

 こんなところを、奈津美一人がすんでいるなんて、男の俺としては信じられないくらいだった。


「どう? 気に入ったかな、翔ちゃん」

「あ、ああ・・・・・でも、ここすごいな。男子寮とは比べ物にならないよ」

「そりゃあ、そうだよ。だって、奈津美たち女の子は、この学校で仕事をしてるようなものだもんね。見返りとして、これくらいは当然なんじゃないかな」

「仕事?」

「うん、そうだよ? それよりも翔ちゃん、早くあがってよ。今日からここが、奈津美と翔ちゃんのお家になるんだよ」


 はにかみながらも笑顔になりつつ、奈津美は俺の手を引っ張って、ひときわ広い部屋へと案内した。

 そして、ソファーに俺を坐らせて、奈津美も俺の隣りに坐る。

 体格のいい奈津美の体が、俺のすぐ隣りにはある。

 ブレザーの制服姿は、奈津美にとてつもなく似合っており、どこかのモデルさんと間違えそうなくらいだ。

 そんな整った顔立ち。

 制服を張り裂かんとする巨乳。

 そして、短いスカートからのびた太もも。

 それらが密着しながら俺の隣りにあった。


(柔らかい・・・・・・それにいい匂いだ。奈津美の奴、いつの間にこんなに成長して・・・・・)


 トロンとした表情を浮かべてしまう。

 おんぶされていた時に鼻孔をくすぐったあの甘い匂いがして、俺の思考を一瞬奪った。

 しかし、どうにか意識を正常に戻すと、俺は奈津美に、さきほどの言葉について質問してみることにした。


「なあ、奈津美」

「ん? なに、翔ちゃん」

「さっき、これは仕事だ、とか言ってたけど、それってどういう意味なんだ?」

「ん? そのままの意味だよ?」


 奈津美は、キョトンとした表情を浮かべてから、



「女の子の能力が格段にあがって、今は社会的地位のある役職のすべてが女性に占められているでしょ? で、最初のころはそういうのに、男の子達が反発したの・・・・・・これは、翔ちゃんもさっきの入学式で知ったと思うんだけど」


「あ、ああ」


 学長(もちろん女性だ)が、新入生初の調教の前に言った言葉。

 それは、奈津美の言うとおりの、今までの歴史認識が改まるような重要なものだった。

 だが、それが奈津美のいう「仕事」という言葉に、どのように繋がってくるというのだろうか。



「その男性の反抗はすごかったらしいのね? 世界は女性と男性に分かれて戦争するまで行き着いちゃったんだって。その結果は、もちろん女の子が圧倒したわけだけれど」


「・・・・・・・・」


「戦いのあとも、男の子たちは、女の子に反抗心をもっていたの。今まで社会の中で優越した立場にあったのが、純粋な腕力でも敵わず、頭脳や”能力”でも格段におとるようになっちゃったんだから、男の子の反抗も当然といえば、当然なんだけどね」



 奈津美は、俺の顔をじっと見つめてから、



「男子の反抗心は過激で、このままだとまた大きな戦いがおこってしまう。そこで、あるシステムがつくられることになったの。それが、この中高一貫の学校っていうシステムなんだって」


「システム?」


「そう。男の子の反抗心を奪うシステム。女の子にはね、この学校で、男の子を調教する義務があるの。さっきの入学式みたいに、純粋な力で圧倒したり、部活動でも絶対に女の子には敵わないということを、骨身に染みるまで分からせるの」


「・・・・・・・・・」


「心を折るっていえば分かりやすいかな。もう女の子に反抗しようなんて気持ちが起こらないように、徹底的にいためつける・・・・・そうしないと、男の子たちはすぐに女の子に反発して、また争いになっちゃうから・・・・・だから、そうならないように、奈津実たちは男の子を調教するの。そして、それが国から課せられた女の子の義務、公的な仕事なんだよ」


「仕事、か」


「そうだね。だから、女の子には最大限のバックアップがされるの。奈津美達が住んでる部屋がこんなに豪華なのも、政府からの支給なんだってさ」



 これくらいかな、と奈津美は言った。

 微妙にはにかんだその表情は、俺が知っている奈津美だった。

 小学生時代、いつも俺のあとをついてきて、消極的で内気だった奈津美。

 しかし、10歳となり、中学校にあがった奈津美は、男を調教するという義務が課せられているというのだ。

 しかも、それに見合うだけの力を、しっかりと備え付けて・・・・・



(俺は、奈津美のこの脚に挟み込まれたんだよな)


 少しだけ、俺の体に密着している奈津美の太もも。

 ちょっと短いんじゃないかと思うスカートから伸びたその脚線美は、男の劣情を引き起こすのに十分なものだった。

 たくましい、と表現すると怒られそうだが、そのムッチリと伸びた太ももは女らしさを失っておらず、逆に健康そうな印象を与えていた。

 その魅力的な太ももに、俺は挟み込まれ、身を軋ませられたのだ。

 2歳年下の、幼なじみに・・・・・


(それに、奈津美の腕も、小学生の頃と全然違う・・・・)


 一昨年までは、色白で細い、不健康そうな腕だったのが、太ももに負けじおとらずに成長していた。

 その腕が俺の首にまきついて、ギリギリと絞められる感触は、今でも首筋に残っている。

 なんとか首からはずそうとしても、ビクともしなかった奈津美の腕。

 そのたくましさは、俺とは比べ物にならないものだった。


(俺は・・・・・幼なじみに・・・・・2歳も年下の女の子に、ボコボコにされたんだ)


 入学式のことを思い出すに、その屈辱がふつふつとわきあがってきた。

 女に課せられているという調教義務。

 俺は、まんまとその調教を受け、徹底的に虐められたのだ。

 ・・・・・・情けない

 そういう気持ちが俺の中にはあった。

 10歳となり、体格も俺よりよくなったとはいえ、妹分だった奈津美に、手も足もでずに嬲りものにされた・・・・・

 隣りに坐っている奈津美に、調教を・・・・・拷問を受けたのだ。

 俺はこのとき、自分の中には男として譲れないものが確かにあるのだと、そんなことを思っていた。



「翔ちゃん、どうしたの?」


 と。

 奈津美が喋りかけてきていた。


「急に黙って、奈津美のこと見つめてきて・・・・・なにか顔についてる?」

「え? い、いや、そんなことないよ」

「じゃあどうしたの? なんだか恐い顔してたし・・・・・」

「あ、えーとだな」


 俺は、なんとかごまかそうと、


「ほら、奈津美の体、小学生のころより大きくなったろ? だから、今身長とかどれくらいになったのかなって、考えてたんだよ」

「ん? 奈津美の身長?」

「そうだよ。かなり成長しただろ、お前」


 現に、奈津美の目線は俺よりも上にある。

 俺も、12歳にしては大きいほうで、165pあるのだが、それよりも奈津美は、視線一つ分くらい大きかった。



「うん、たしかに奈津美の身長は伸びたよ」

「そりゃそうだろうな。いま、何pあるんだ?」

「ええと・・・・・この前はかったときには、170pだったかな」

「・・・・・170,か」


 覚悟していたとはいえ、奈津美に背を越されたということを、こうして数値にあらわされるとこたえるものがあった。


「でも、まだまだ伸びるって、保健の先生が言ってたよ? 10歳を境に女の子の体が急激に成長してくんだけど、その10歳時点の平均身長が168pで、成人女性の平均身長は178pだからね」

「・・・・・男子の平均身長が、成人男性で174pだから、それより確実に高くなるのか」

「うん、たぶん・・・・・それに、奈津美のお母さんの身長、187pって言ってたから、きっとそれくらいにはなるんじゃないかな」

「・・・・・・・・・」
  

 187・・・・・今でも、かなりきついというのに、そんなに奈津美の身長が高くなったらどうなってしまうのだろう。

 身体能力は今よりも格段にあがり、今でも手も足もでないのに、さらに奈津美に圧倒されることになる。

 さらには、隣りに立つだけで、上から見下ろされるようになるのだろう。

 普通に喋っていても、奈津美は俺の顔を見るためには、はるか下を見なければならない・・・・・

 奈津美に見下ろされる・・・・・・

 その将来を思って、俺は暗澹たる思いを感じた。


(これが現実・・・・・)


 女の子が男よりも優位な存在だという現実。

 身長でも、筋肉的な体格の良さでも、けっして女の子には勝てない。

 俺も、もはや奈津美には何一つ敵わないのだろうか。

 本当に入学式の話しと同じように、身体能力でも、頭の良さでも、勝てないのだろうか。


(い、いや・・・・・俺には水泳がある。奈津実は泳げないんだし、絶対、水泳だけは・・・・勝てる)


 そう思うと、少しだけ気分が晴れた。

 そうだ。全部が全部、奈津実に敵わないということはないはずだ。

 長年続けてきた水泳ならば、奈津美に勝てる。

 なんせ、奈津美はかなづちなのだから・・・・・。

 水泳だけならば、なんとかなるだろう。

 少なくとも対等な立場になりたい。

 と、俺がそんなことを思っていると、

 


「ああ! 忘れてた!」

「な、どうした、奈津美」



 唐突に立ち上がると、奈津美は大きな声をあげた。

 奈津美のそんな大きな声は、小学校時代聞いたこともなかったから、俺としても度肝をぬかれてしまう。

 いったいどうしたのだろうか。

 なにか、学校に忘れものでも・・・・。


「な、奈津美? どうしたんだよいったい」

「う、うん。すっごく重要なこと忘れちゃってた。これ、入学式のときに覚えさせなくちゃいけないのに」

「にゅ、入学式」


 その単語に、俺は嫌な予感がした。

 そして、その予感はあたっていたのだ。

 奈津美は、深刻な表情を浮かべると、今だにソファーに坐っている俺のことを見下ろしながら、


「この学校では、男の子が女の子にあいさつするとき、要求されたら絶対にしなくちゃならないことがあるの」


 奈津美は、真剣な表情で言った。

 それとともに、奈津美は俺のことを見下ろしながら仁王立ちになる。

 脚を肩幅にまで広げ、腰に手をあてて、堂々と立つ奈津美。

 体格のよさもあいまって、その姿にはどこか威厳のようなものまで感じられた。

 そして、奈津美は、


「翔ちゃん。奈津美の足下で土下座して、足のこうにキスして」

「は、は?」

「聞こえなかったの?」


 さきほどまでの消極的で内気なな少女はもういなかった。

 調教モードにはいった奈津美は、さきほどの入学式と同じような高圧的な態度になる。

 そして、奈津美は片足を前にさしだした。

 そこを指さしながら、奈津美は無慈悲に言った。


「土下座してから、奈津美の足のこうにキスするの。忠誠の証だね。明日から、学校で女の子に要求されたら、ちゃんとやらなくちゃダメだよ?」



(続く)
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