奈津実は、片足を前にだしてから、ピクリとも動かなかった。

 ジイっと、俺のことを見下ろすだけである。

 そんな奈津実に対して、俺は気圧されてソファーから立ち上がることができないでいた。

 ただ、はるか頭上から見下ろしてくる奈津実の視線を、見上げることしかできない

 しかし、さっき奈津実が言った言葉は・・・・・



「あ、足にキスするって・・・・・ほ、本気で言ってるのか?」

「そうだよ。それに、これは特別なことじゃないんだからね。この”学校”では普通のことなんだよ? だから、ちゃんとできるようになっとかなきゃダメなの」

「だからって、奈津実・・・・」



 バッチイイイインッッ!!!



「ひいいいい!!」


 稲妻の電流にも似た痛みが、俺の頬に響いた。

 ビンタ。

 奈津実が俺にビンタしたのだ。

 目にも見えない速さの、豪快な手のスイング。

 頭がジーンと痺れて、体が動かなくなってしまった。


「翔ちゃん。2人っきりのときとか、普段は別にいいんだけど、調教するときは女の子を呼び捨てじゃダメだよ? 『奈津実様』って、ちゃんと言おうね」

「ひい、ひいい」

「さあ、早く、奈津実の足にキス、しなよ」

「う、ううう」


 クイっと、奈津実はさらに足を前にだす。

 俺はそれを見て、思考停止したように動けなかった。

 足に・・・・キスする。

 幼なじみの足に・・・・

 妹分の・・・・奈津実の足に、跪いてキスをする。

 女の子の足下で土下座し、その足にキスをするのだ。

 それは、いったいなんなのだろうか。

 奴隷?

 玩具?

 少なくとも、対等の立場でないことは確かだ。

 女の子に対するあいさつ・・・・忠誠を誓う行為として、女の子の足にキスをしなければならない。

 その光景を想像するだけで、とてつもない屈辱だった。

 痛む頬と、身悶えするほどの屈辱で、俺は、身動きがとれなくなってしまっていた。

 ただ、差し出された奈津実の足を見つめることしかできない。

 幼なじみの、大きな足を・・・・・


「もう! 翔ちゃん! はやくしてよっ!」

「で、でも・・・・だって・・・・」

「明日、これができなくて困るのは翔ちゃんなんだよ? ほら、はやくっ!」

「ううううう」


 ダン! ダン! と、奈津実が足を踏みならし始める。

 はやくキスしろ、と。

 はやく跪いてキスをしろ、と。

 高身長の奈津実が、その逞しい脚で地面を踏みしめると、それだけで迫力満点だった。


「もうっ! 言って分からないなら、その体に覚え込ませてあげるよっ!」

「ひ、ひいいいい!」


 堪忍袋の緒が切れたのか、奈津美が俺の肩に手をかけた。

 そのまま、グイっとばかりに力をこめ、俺のことをソファーから引きずりおろす。

 その力は相当なもので、俺はなすすべもなく、地面に仰向けになってしまった。

 後頭部を打って、目の前でチカチカと火花が散る。

 地面に仰向けになって倒れた俺に対して、奈津実が・・・・


「キスっていうのは、こうやってするんだよ!」

「むぐうううう!!」


 踏む。

 俺の顔を・・・・奈津実の脚が踏みしめる。

 幼なじみの足裏が、俺の口元をすべて覆い尽くしてしまった。

 奈津実は左脚だけで立ち、右脚でもって俺の口元を踏みしめる。

 グイグイと、俺の顔を踏んでいる足が蹂躙する。

 その脚には力がこもっており、俺の顔面は奈津実の脚と地面にサンドイッチにされてしまって、激痛がともっていた。


「ほら、こうだよ。分かる? 翔ちゃんは、今、奈津実の足裏にキスしてるんだよ?」

「むううう!! むううう!!」

「喋れないでしょ? でも、まだこれからだから・・・・・・自分から女の子の足にキスしたくなるまで、徹底的に調教してあげるよ」



 ぎゅううううううッッ!!!



「むぎゅううううッ!!」


 奈津実の脚に、さらに力がこもった。

 奈津実の逞しい太もも。

 その太ももには、筋肉の筋がクッキリでており、尋常ならざる力がこめられていることが如実に見て取れた。


「ほらほら、潰れちゃうよ? 翔ちゃんは今、女の子の足裏に強制的にキスされて、顔面を潰されていってるんだよ?」

「むうううううう!!!」


 悲鳴はすべて、奈津実の足裏に吸い込まれる。

 奈津実の言うとおり、これは強制的なキスだった。

 俺の口元は奈津実の足裏に覆い尽くされている。

 力ずくで仰向けにされて・・・・・

 有無も言わさずに、顔面を踏み付け、強制的にキスをさせる。

 そのとんでもない行為を行っているのは、俺の幼なじみ・・・・・2歳も年下の妹分なのだ。

 純粋な力で圧倒される。

 苦しい・・・・・

 痛い・・・・・

 俺はたまらずに、奈津実の脚に手をかけた。

 くるぶしあたりを両手でつかんで、なんとかその右脚をどかそうとする。

 全力。

 涙目になった俺は、みっともなく足掻くように、体中をつかって無様に暴れて・・・・・


「くす。なにそれ」

「ぎゅっううううう!!!」



 ミシミシミシ!!!



 抵抗にもならなかった。

 俺の全力の抵抗に、奈津実は失笑をうかべてさらに脚に力をこめただけだった。

 あ、相手にもされていない。

 俺の全力を苦ともせず、奈津実は俺が暴れるのは、見下ろすだけである。

 「翔ちゃんはなにをやっているんだろう・・・」と、なにか珍妙な動物でも見ているような視線が、上から振り下ろされてくる。

 ビクともしない。

 俺の体は、奈津実の片足だけで封殺されていた。

 地面に縫いつけられている。

 奈津実の片足によって、俺の顔面は地面に縫いつけられているのも同然だった。

 昆虫の標本のように・・・・

 俺の体は、奈津実の片足によって縫いつけられていて・・・・・


「抵抗したいならもっとがんばりなよ。そうしないと、潰れちゃうよー」

「ぬうううう!! むうぐううう!!」

「苦しそうだね。なんだか翔ちゃんの頭、ミシミシいってるし」

「ふぐううあああ!!」


 涙がでて、奈津実の脚をどかそうと奮闘していた手に力がなくなる。

 どんなに抵抗しても無駄であることを、体に覚え込まされる。

 入学式のときと同じように、女の力に圧倒される。

 片足一本しかつかっていない奈津実に、手も足もでない。

 みじめったらしく、女の子の足裏で顔面を踏み付けられ、手も足もでない男。


(く、くやしい)


 その悔しさをさらに高めるのが、頭上から向けられてくる視線だ。

 ジイーと、奈津実が、俺のことを見下ろしてくるのがよく見える。

 はるか頭上・・・・片足で俺の口元を踏み付けながら、見下ろしてくる奈津実の視線。

 それを受けながら、俺はどうすることもできないでいた。

 奈津実はブレザー姿だ。

 だからすぐ頭上には、奈津実のパンツさえ見えた。

 顔をまたぐようにして奈津実は立っているから、それも当然だ。

 自分の秘所を隠す下着を丸見えにさせながらも、奈津実には恥じらいはなかった

 俺のことを、もう男として意識してないとでもいうのだろうか。

 パンツが丸見えであることに無頓着に、奈津実は俺の顔面を踏みしめるだけである。

 ときおりグリグリと、俺の顔面に足裏をすりつけるように動かす奈津実。

 そこに容赦はなかった。

 さきほどいったとおり、奈津実は女の子に課せられている義務を全うしているのだろう。

 男が二度と女子に反抗しないように・・・・・

 奈津実は、義務として仕方なく、俺のことを調教しているだけなのだろう。

 それがさらに、俺に屈辱を与えていった。


「翔ちゃん、これで分かったでしょ? 女の子に抵抗したらどうなるか・・・・・ちゃんと分かったよね?」

「むむむうう!! むむむうううう!!!」

「奈津実、まだ全然、力いれてないんだからね? これで本気だしたらどうなるのか、翔ちゃんにも分かるよね?」


 グリグリ、と俺の顔面を踏みしめる。

 奈津実の大きな足裏。

 そこに強制的にキスをさせられ、潰されていく屈辱。

 しかし、段々とそんな屈辱よりも、生命の危機のほうがつのってきた。

 恐い。

 このまま、永遠に奈津実に、顔面を踏まれるのではないかという恐怖。

 奈津実が本気で足に力をいれれば、俺の顔面は一瞬にして潰されてしまうという生命の危機。

 トマトが砕けるように、ブシュウ! と勢いよく、俺の頭部はいとも簡単に潰されてしまうのだ。

 奈津実がその気になるだけで・・・・

 俺の顔面を潰そうと、そう心変わりするだけで、俺は潰されてしまうのだ。


(こ、こわい・・・・!!)


 ミシミシミシ。

 奈津実の足に力がこもるたび、俺の顔面が軋んでいく。

 その圧倒的な力に、俺は次第に涙と涎をまきちらして、顔面を汚していた。


「うん、いい顔になってきたね。眉もさがって、目も怯えて怖がってる・・・・・翔ちゃんもちゃんと、女の子に逆らったらどうなるのか、身に染みてきたみたいだね」

「むふうううう!!」

「きっと、ちゃんと言葉を喋れるんだったら、今、翔ちゃんは必死に命乞いしてるんだろうね? 女の子に顔面を踏まれて潰されそうになって、恐くて恐くて、必死に命乞いをしてるよね」


 あくまで義務感。

 俺のことを虐めて楽しんでいるという雰囲気はなく、ただただ義務感で、俺のことを調教していることが分かる、奈津実の冷めた態度。

 そんな彼女は、「ふう」という息をついたあと、腰に手をあて、俺のことをしっかりと見下ろしながら、


「じゃあ翔ちゃん。奈津実の足裏、しっかり舐めることができたら、とりあえず許してあげるよ」

「むむうううう!!」

「足裏を舐めるの。ペロペロって舌をだして、足裏を舐めて? それで許してあげるから」


 ほらはやく、と、奈津実は右脚にさらに力をこめた。

 ベギイイ!! という俺の顔面が軋む音。

 しかし、その痛みよりも、奈津実の言葉のほうが衝撃的だった。


(足裏を・・・・・舐める?)


 いま、俺の口元を覆っている奈津実の足裏。

 俺の顔面を潰さんとしている奈津実の足裏。

 そこを、言うにことかいて、舐めろと・・・・。

 幼なじみの足裏を舐めろと、そう奈津実は言ったのだ。


(で、できっこない・・・・!!)


 それだけは、できない。

 それが、俺の本心だった。

 キスくらいなら、百歩譲ってできるかもしれない。

 しかし、さらに足裏を舐めろというのは、ひどすぎる話しだ。

 いつも俺の後ろをついてきた奈津実の足を・・・・・

 庇護の対象であった存在の足を、強制的に舐めさせられる・・・・・

 その屈辱は、相当なものがあった。


「ほら、はやくしないと、このままじゃ翔ちゃん死んじゃうよ?」

「むううう! むむむううう!!」

「そんな犬みたいな目で、必死に許しを哀願してもダメだよ? 奈津実の足を舐めるまでこのまま・・・・・・ペロペロって舐めるまで、翔ちゃんは、ずーと、奈津実に顔面踏み付けられたままなの」

「むうううううっ!!」

 
 ほら、というかけ声とともに、奈津実はさらに脚に力をこめた。

 ベギイ! と、それまでとは一線を画する圧壊音が響いた。

 潰されている。

 奈津実の脚で、俺の顔面は潰されていていく。

 幼なじみの女の子に、顔面を踏み付けられて・・・・・


「むグうううう!!!」

「・・・・・はやく舐めようね」



 見下ろしてくる奈津実の相貌は、普段通りである。

 高圧的な雰囲気はあるものの、小学生時代の、よく知った奈津実の様子。

 その様子のままで、奈津実は俺の顔面を潰そうとしているのだ。

 メキメギ! という音が響くたびに、自分の精神まで軋んでいくのが分かった。

 精神が屈服する。

 命の危険が刻一刻とせまるにつれ、俺の心が折られていくのが分かった。

 男のプライドというか、それまでかたくなに守ってきた奈津実に対する優越感みたいなものが、折れていくのが分かる。

 俺のことを見下ろしてくる奈津実の視線。

 その見下ろしてくる冷ややかなな視線に、確固たる格差を感じた。

 男と女。

 その破ることのできない絶対格差。

 どうしようもない・・・・・

 このままでは死んでしまう。

 奈津実に・・・・・幼なじみの女の子に、顔面を踏み付けられて死んでしまう・・・・


(うううううう!!)


 俺は、どうしようもなく・・・・・・・

 恐怖にかられて・・・・・・

 奈津実の足裏に、舌を這わせた。

 女の子の足裏に。

 幼なじみの足裏に。

 自分の顔面を踏み付けてくる足裏に。

 舌を・・・・・・

 自分の舌を、這わせたのだ。



 ・・・・・ペロペロ



「あ、翔ちゃん、やっと舐めたね」

「う、ううううう」


 あまりの屈辱に、涙がでてきた。

 悔しさゆえの涙。

 舌には、奈津実の足裏の味が広がる。

 少量の汗が足裏にはあり、俺はそれを舐めとったのだ。

 ペロペロと・・・・

 強制的に、幼なじみの足裏を舐めさせられて・・・・・

 しかし、奈津実からでてきたのは、さらにすさまじい言葉だった。



「でも、それくらいじゃダメだよ? もっと舌をだして、満便なく舐めるの」

「ふぐうううう!?」

「ほら、もっと舌だして」


 顔面を踏む足に力をこめて、催促する奈津実。

 奈津実は、さらに舐めろと言うのだ。

 これでは足りないから、さらに舐めろと。

 舌をだして、ペロペロと、女の子の足裏を舐めろと。


(もう・・・もう許して!!)


 顔をぷるぷると横にふる。

 もう、許してくださいと、俺のことを見下ろしてくる奈津実に嘆願する。

 眉を下げ、自分の顔面を踏み付ける女の子を仰ぎ見るようにして、必死に許しを嘆願する。

 まるで、飼い主の許しを求める犬のような様相。


「・・・・・・・・・・」


 そんな俺を、奈津実は淡々と見下ろしてきた。

 圧倒的な力で俺の顔面を踏み付けながら、

 手に腰をあて、余裕の表情で、ただ俺の痴態を見下ろす。

 その姿は、まるで女神のように高圧的で、そして美しかった。



「もう、しょうがないな」

「むぐううう!!」

「どうしてもできないなら、奈津実が手伝ってあげるよ。能力つかうけど、びっくりしないでね?」

「ふぐうううううう!!??」


 唐突に、俺の舌が飛び出た。

 自分の意思ではなく、何かに引っ張られるようにして、舌が口の中から飛び出たのだ。


「これが女の子の観測能力だよ。奈津実が観測した現象が実際に起こるの。いまは、翔ちゃんの舌をめいいっぱい出すって観測したんだよ」

「ふっぐううううう!!」

「よし、じゃあ、舐めようね? 奈津実がしっかり教えてあげるから」

(や、やめて・・・・)

「はい。舌がどんどん動いていくよ」


 またしても、俺の舌が自分の意思とは無関係に動き出した。

 めいいっぱい舌をだしたまま、奈津実の足裏を舐めとっていく。

 今だに、奈津実は俺の口元を踏み付けており、俺の口元には、奈津実の大きな足がある。

 その密着している奈津実の足に・・・・

 幼なじみの女の子の足裏に、強制的にキスをさせられながら、さらにはそこをペロペロと舐めさせられる。

 舌全体に奈津実の足裏が押しあてられ、そのままの状態で、ゆっくりと舌が動いていく。

 満便なく、舐める・・・・舐めさせられる。

 舌全体に、奈津実の味が広がった。

 奈津実の足の匂いと味が、俺の鼻と口を支配する。

 何回も何回も・・・・・

 俺の意思に関係なく、自分の舌は奈津実の足裏を舐めていくのだ。

 ペロペロと。

 飼い主の手を舐める犬のように・・・・・


「くす。ちょっとくすぐったいね」


 俺の顔面を踏み付けながら、奈津実が言う。

 しかし、奈津実は決して許してくれなかった。

 それからさき、俺にとっては拷問のような時間が続くことになった。

 目がうつろになり、まるでレイプされているようになるまで、繰り返し繰り返し、強制的に足裏を舐めさせられた。

 舌が麻痺してきて、顎が痛くなっても許してくれない。

 舌をだしたままなので、唾液が俺の口から吹き出てくる。

 その唾液が俺の口周りを汚し、唾液でベタベタになっても許してくれなかった。

 ようやく足を放してくれたと思ったら、次は反対の足を舐めさせられた。

 右足と同じように、左足をもって俺の口元を覆い、顔面を潰しにかかる奈津実。

 その足裏を、再度舐めさせられるのだ。

 何回も何回も。

 舌をめいいっぱいだして、足裏にぴったりとあてがわれてから、舐めさせられる。

 かかとから始まって、土踏まずを舐めとり、最終的には足の指、一本一本を丁寧に舐めとらされる。

 それは、本当に、俺の精神を軋ませるにたりる、拷問だった。

 永遠に・・・・・

 ペロペロと・・・・・

 犬のように・・・・・

 幼なじみの女の子の足裏を舐めさせられていく・・・・・・・




 ・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・





「はい。じゃあ、このくらいにしておこうか」


 と、どれくらいの時間がたったろうか。

 奈津実はそう言うと、ゆっくりと左足を俺の顔面からはずした。

 奈津実の足の匂い以外の新鮮な空気が、肺の奥を満たした。


「ハァ・・・・ヒ・・・・ッギぃ・・・・・・」


 ぐったりと、俺の体は地面に横たわったままである。

 目はうつろに染まり、レイプ後の人形のような顔になっている。

 口元は唾液で汚れ、ところどころ泡まででていて、人間の尊厳なんてどこにもありゃしない。

 顎がはずれそうになり、顔面と後頭部が激痛で痛む。

 しかし、まだ生きていた。

 それが、とにかく嬉しくて・・・・・・



「翔ちゃん」



 ビクっと、その声で現実にかえる。

 頭上。

 地面に仰向けに横たわった俺の頭上には、奈津実が仁王立ちしていた。

 背の高い身長。

 たくましい太ももと、その奥のパンツが丸見えの俺の幼なじみ。

 さらに上にいけば、いつもと同じ様子の、奈津実の整った顔がある。

 彼女は、俺のぐったりとし動かない様子を、上から見下ろして観察していた。

 見下ろされる。

 幼なじみの女の子に見下ろされて、観察される。

 一昨日までは対等な存在だと思っていた存在に。

 庇護の対象でしかなかった存在に。

 妹分で、いつも俺を頼ってきた奈津実に。

 レイプされるように犯され、見下ろされる。

 どうしようもない力の差だった。

 もう、俺達の立場は、完全に逆転してしまったのだ。



「翔ちゃん。じゃあ最後に、ちゃんと忠誠の証をしておこうね。はい、土下座して、奈津実の足のこうにキスして」

「・・・・・・は、い」



 真っ白になった頭で、俺は起きあがり、這うようにして奈津実の足下へと移動した

 目の前にある、その足。

 大きな足。

 幼なじみの女の子の足。

 そこに向かって、

 俺は土下座をしながら、

 ゆっくりと口づけした。


「うん。ちゃんと自分でできたね、えらいよ」


 心底嬉しそうな奈津実の声色。

 俺は、奈津実の足の甲にキスをしたまま、頭上から振り下ろされてくる奈津実の声を聞いた。


「よしよし。勝手に顔をあげないのも合格だね。さすが翔ちゃんだよ。これなら明日も大丈夫かな」


 唇にあたった奈津実の足の感触。

 忠誠の姿勢で、俺は奈津実の言葉を静かに待つ。


「じゃあ翔ちゃん。わたしがいいっていうまで、ずっとこのままね? 1時間くらい、忠誠の練習しようね」

「・・・・・ふぁい」


 仁王立ちの奈津実。

 手を腰にあて、堂々と立つ俺の幼なじみ。

 その足下で―――

 俺は、土下座したままキスをし続ける。

 きっと、奈津実はいつもの様子で、俺の忠誠の姿勢を見下ろしていることだろう。

 俺は、その奈津実の視線を感じながら、いつまでも足の甲に口づけしたままだった。



(続く)
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