「ジュ……ジュウぅうぅう…じゅぱ……」


 俺と小百合様の立場が完全に逆転したあの日から、2年が経過していた。

 小百合様にめちゃくちゃに犯され、蹂躙され、自分の立場をしっかりと認識することになったあの日。

 あれからもう、2年も経ったなんて、少し信じられないほどだ。

 大学生だった俺は、もうとっくに働きにでていて、社会の荒波にもまれている。

 光陰矢のごとしなんていうけれど、大学時代はあっという間にすぎて、もう今では、自分が学生だった頃をうまく思い出すこともできない。

 そんなすべてが移り変わった今という時間。

 しかし、一つだけ変わらないものが、今、俺の目の前にはあった。

 ―――小百合様である。

 見目麗しいそのお姿。

 2年という時間は小百合様をさらに美しく、至高の存在へと昇華させていた。

 小百合様も、今では中等部だ。

 電車で少し行ったところにある中高一貫の有名私立学校。

 県外からも越境入学者がいるほどのその超有名進学校に、小百合様はゆうゆうと入学をきめていた。

 というか、小百合様はその学校の試験すら受けていない。

 学業優秀にくわえて、水泳で初等部の頃から頭角をあらわしていた小百合様に、学校経営陣からわざわざ入学を頼まれたのだった。

 あの日のことは今でも覚えている。

 お願いだから自分達の学校に入学してくれと、小百合様の目の前で土下座でもしそうな勢いで頼みこんでいた理事長の姿。

 向こうがだしてきたのは破格の条件だった。

 すべての学費免除は当然のこと、制服他、学校で使用するすべての物品の無料贈呈。

 さらには、通学が不便ならば、学校側で車をだし、送り迎えもさせるという信じられない待遇だった。

 それもこれも、すべては小百合様の優秀さのたまものである。

 天は二物どころから十物を小百合様に与えたのか。

 水泳は全国区で、しかも成績も飛びぬけで優秀。

 まさに、小百合様が他の人間とは異なる証拠である。

 こんな小百合様にお仕えできることが、俺にとって何よりも嬉しいことだった。

 だから、俺はその奉仕に集中する。

 無作法があってはならないと細心の注意をはらいながら、俺は尚もその行為に没頭していた。

 奉仕―――いや、これはそんなものではなくて、俺にとってのご褒美だ。

 ソレをするごとき心臓が脈打ち、あまりの興奮に我を忘れそうになる。

 その頭の回路が焼け切れそうな興奮をなんとか押さえつけながら、俺はその行為に没頭していった。

 目の前―――

 そこにある、小百合様の美しい、おみ足。

 俺はさきほどまでと同じように、その小百合様の脚に舌を這わせていった。



「ハア、ハア……さ、小百合さま、ンじゅじゅじゅ!! ジュバっ……ジュウぅうぅ」



 舌を命一杯だして、小百合様の足の指を舐めあげる。

 一本一本丁寧に、小百合様の足の指を舐めさせていただく。

 小百合様の脚のかかとを右手で持ち、そのふくらはげに左手をそえ、俺は小百合様の足に舌を這わせていく。

 もうすでに、小百合様の足は俺の唾液でいっぱいだった。

 最近、あまりかまってもらえなかったので、嬉しくてつい、我を忘れて小百合様の足を舐めすぎてしまったようだ。

 しかし、どうにもならない。

 興奮だけが俺の中に募り、自分勝手だとは分かっていても、その行為をやめることができなかった。


「しゃゆり様……!! ジュウウッッ!! ジュ、ンンン、ジュッバウウ!!」

「ららら〜ん」


 楽しげな鼻歌が、頭上から聞こえてくる。

 しかし、それは俺の行動を見て、楽しんでいるわけではなかった。

 1年前までは、小百合様は俺のことを虐めて、心底楽しそうにしていたというのに、今ではまったく俺には無頓着である。

 小百合様は、俺の存在なんて気にかけることなく、さきほどからファッション雑誌を眺めていた。

 ベットの上に座り、脚を組み、その右脚を俺に差し出しながらも、小百合様の視線は俺ではなくそのファッション雑誌に向けられている。

 完全に俺のことを無視して、小百合様は自分の世界に浸っている。

 紺のブレザー姿―――学校からさきほど帰ってきた小百合様は、まだ着替えずにベットの上に座っている。

 スカートから伸びる脚線美。

 女性特有の柔らかそうな筋肉を持ちながら、スラっと伸びたその生足は実に魅力的だ。

 両脚が組まれているので、スカートの奥がもう少しで見えそうになっている。

 しかし、そんなことには無頓着に、小百合様は尚もファッション雑誌を見つめているだけだった。

 俺の存在なんかどうでもいいといった小百合様の様子。

 そんな最近の俺との関係が分かるような冷淡な扱いに、心が沈まないといったら嘘になる。

 だけれど、俺はいま、こうして小百合様のおみ足にご奉仕できるということが何よりも嬉しかった。

 ここ最近、小百合様は俺にかまってくれなかったので、喜びもひとしおといったところだろうか。

 俺は、昔、小百合様に教えられたとおりのやり方で、目の前のおみ足に舌を這わせていった。



「ジュパパッッ!! じゅじゅゥゥ……ンン…ジュジュっぷ!!」

「あ、これなんか可愛いかも〜」

「ジゅじゅう……じゅ、ンンンン!! ジュジュブウウ!!」

「う〜ん、でもちょっと高いかな〜」

「ジュウウッ!! ジュジュウウゥウゥ!!」


 ツバをはじくようにして、卑猥な音を大きくだす。

 舌を大きくだして、足裏全体をいっきに舐めとる。

 足の指の間を丹念に舐め上げ、口を大きく開けて、その5本の足の指、すべてを口内に納める。

 ここ2年間え小百合様に調教されてきたことをすべて出し切るようにして、俺は小百合様の足を舐めていく。

 オナニーを覚えたての中学生のように必死に舌を這わせる。

 しかし、小百合様は、なんの反応も見せてくれない。

 俺のことを楽しそうに見つめてくれないし、なんの声もかけてくださらない。

 寂しい。

 その一言だけが俺の胸の中にあった。

 前みたいに、俺のことをメチャクチャにしてほしい。

 抱きしめられて潰されそうになったり、その大きな胸に顔面を埋もらされて窒息したい。

 現在の小百合様の怪力と体は、初等部だった頃よりも格段にすごいものだろう。

 それを俺は味わいたい。

 白目になって泡を吹きながら失神するぐらいまで犯されたい。

 犯される。

 小百合様に犯していただく。

 それが……いや、それだけが俺の望みだった。


「ジュパジュパッッ!! ンン!! 小百合さひゃあ!!」


 2年間という小百合様の調教は、俺を完全な変態へと変えてしまっていた。

 首を絞められ、ベアバックで潰されそうになって―――興奮する。

 小百合様が俺のことを虐めていたのは、単にそれが楽しかったからだろう。俺の悶える姿が楽しくて、ただ俺のことを虐めていたのだろう。

 しかし、その他愛もない小百合様のお遊びが、俺の存在を根底から変えてしまっていた。

 あんなにも成熟しきった大人の体に日頃から埋もれ、抱きしめられ、そして肉体的苦痛を得てきたのだ。

 俺の中で”痛み”が”快感”に変わるのに時間なんていらなかった。

 今では、小百合様に抱きしめられ、ベアバックをかけられているだけでも達することができてしまう。

 性器になんの刺激がなくても、小百合様に痛みを加えられるだけで、呆気なく射精してしまう。

 こんな自分になるなんて、昔の俺では想像もつかないだろう。

 背の高い妹にコンプレックスを感じて、かたくなにその妹のことを避けていた俺が、今では完全に小百合様の虜だ。

 服従したい。

 隷属したい。

 この小百合様という一つの芸術品に、体と心の底まで支配していただきたい。

 それだけが今の俺の願いだった。

 なのに―――


「は〜、やっぱりコレ、もうつまらないな〜」

「―――あ……」


 まったくの唐突に、小百合様の足が引っ込まれる。

 俺の目の前にあったおみ足がスッと後ろにひき、俺の手の届かないところへいってしまった。

 いきなりどうしたのだろうと、俺は小百合様の顔を見上げる。

 ベットに座って、淡々とした表情で俺のことを見下ろしてくる小百合様。

 そして、まるで目の前には誰もいないかのように、独り言でも言うような感じで、


「まったく……跪いて、実の妹の足舐めて興奮してるんだから……もうホント、どうしようもないよね〜」

「さ、小百合さま?」

「なんか全然抵抗しなくなっちゃったし……これじゃあ、そこらへんの人形で遊んでたほうがよっぽどマシなんじゃないかな〜。ふう」


 心底あきれ返ったというような、重々しい溜息。

 そして、小百合様はゆっくりと脚を動かした。

 左脚と右脚。

 その二つの足の裏で、俺の側頭部を挟み込む。

 まるでサンドイッチにされるかのように、俺の頭部は小百合様の足の裏に挟み込まれてしまった

 紺色のソックスの感触と小百合様の体温。

 それらを感じながら、俺は小百合様から目を離せなくなってしまっていた。

 目の前―――そこには、足の裏と裏で俺の頭部を挟み込んでいるせいで、スカートがまくしあげられてしまっている光景がある。

 スカートの奥には、純白の下着。

 その魅惑的な光景を目にして、俺は夢心地のような気分だった。

 しかし―――


「えい」

「アッギャあああ!!」


 唐突に、小百合様の足に力がこもった。

 足の裏が、俺の側頭部に食い込む。

 ギシギシと頭蓋骨が軋んでいく音が、直接頭の中でなっているかのようだった。

 常人をはるかにこえた怪力。

 誰よりも美しくなった小百合様は、さらにその力を増大されたようである。

 これならば誰が相手であっても圧倒できるだろう。小百合様に逆らったものは、あっという間に瞬殺されてしまう。

 それが先輩であっても、社会人であっても、小百合様に太刀打ちできる人間がいるようには思えなかった。


「ほらお兄ちゃん、頑張って脱出しないと潰れちゃうよ〜」

「ウギギギっ!」


 淡々とした口調とは裏腹に、足にこもる力はさらに増した。

 小百合様の足の裏に挟み込まれ、両側からプレスされる。

 バギ、ベギ、という何かが壊れる音。

 小百合様の長い足の指が、俺の側頭部をワシづかみにしてはなさない。

 気高く崇高な鷲―――その足に捕まえられた獲物のように、俺は小百合様に潰されていくしかなかった。

 でも、これは久しぶりなことである。

 こんなふうに虐めてもらえたのは、かれこれ3ヶ月ぶりくらいのことではないか。

 苦しみが悦びにかわる。

 この激痛を小百合様が与えてくださっていると思うだけで、俺は恍惚とした表情を浮かべてしまった。

 頭を潰されてしまうのではないかという苦痛。

 今にも発狂してしまいそうな激痛。

 そのすべてが、俺にとっては極上のご褒美で―――


「―――ほら、こんなにやってるのに、お兄ちゃん、すっごく嬉しそうだもんね」

「……あ」


 足の裏と裏で俺の頭を挟み込むのはそのままに、小百合様は言葉を放った。

 それとともに、俺のことをジーと見つめる。

 そこには、1年前までの……天真爛漫といった無邪気な表情はなかった。

 心底うんざりしているというか、何か下等なものでも見るような目付き。

 俺はその大きな瞳に、視線を奪われ、一歩も動けなくなってしまった。


「あーあ、昔は面白かったのにな〜。いくら虐めても、お兄ちゃんは全然変わらずにお兄ちゃんで、私に対しても態度変えなかったのにね」

「さ、小百合さま?」

「私が遊びで男の子とか虐めると、その子はみ〜んな、私に服従していったんだよね。私が土下座しろっていったらその通りにするし、足を舐めろって言われたらそこがどこであれ命令どおりに服従する。そんな情けない男子が、私は大嫌いだった」

「…………」

「でもお兄ちゃんだけは違ってたんだよ。どんなに虐めても、私のことを妹だって見てくれた。私のこと『様』づけで呼べっていっても、必死に抵抗したりしてね。そんなお兄ちゃんのこと、私はちょっとだけ尊敬してた」


 でも今のお兄ちゃんは―――と、小百合様は言葉を切った。

 そして、小百合様は俺のことを冷たい視線で見つめ始める。

 兄としてではなく、男として。

 かつてのお兄ちゃんではなく、一匹の雄犬に成り下がった軽蔑すべき男として、

 小百合様は、心の底から軽蔑しきった視線を俺に向けた。

 そして、ギリっという歯軋りのあと、

 小百合様は、あくまでも自然に……



「―――この玩具、もう壊しちゃおっかな」



 いらなくなった玩具はゴミ箱に……

 もう遊べなくなった玩具は壊しちゃえ……


「よいしょっと」

「ひっぎゃああああ!」


 淡々とした視線のままで、小百合様は再度足に力をこめた。

 またしても、俺の頭は小百合様の足の裏で潰される。

 ギリギリと軋んでいく頭蓋骨。

 その痛みは今までの比ではなく、比喩ではなく目の前に火花が散った。

 抗いようのないものに対しては、現実の痛みよりも未知への恐怖のほうがつのる。

 俺は、淡々といらなくなった玩具を壊していく小百合様に、必死の嘆願をむけるしかなかった。


「ゆるしてえええ!! 小百合さまあああ!」

「…………」


 俺の絶叫に我関せずと、小百合様は尚も冷たい瞳で俺のことを潰していくだけだった。

 淡々と……当然のことをやっているだけだと言わんばかりに崇高さ。

 下等生物……いや、それどころか壊れた玩具―――役立たずの”物”を見つめるような視線。


「あ、アアッ……」


 ……そんな目で見ないでほしい。

 そんな他人を見るような目でだけは、見て欲しくなかった。

 ああ、なんだ―――と、俺は薄れいく意識の中で思った。

 小百合様に虐めていただけるとか、

 小百合様に犯していただけるとか、

 そういうことではなく……

 俺は、小百合のことが好きだったのだ。

 素直になれないくらいに、実の妹のことが好きだったんだ。

 好きな女の子にされることなら、どんなことでも嬉しいにきまってる。

 ああ、なんだ……

 そんな、ことだったのか……


「ふふふ」


 と。

 いきなり小百合様は笑い出した。

 今だに足責めを継続したままで、小百合様は俺の顔を凝視してくる。

 そこには、さきほどまでの冷淡な表情はなかった。

 3ヶ月前……

 俺のことを無邪気に虐めてきていた小百合様と同じ、天真爛漫という表情があった。


「お兄ちゃん、すごい怯えてる〜。えへへ、本気にしちゃったの?」

「あ、あ、あ」

「もう、可愛いんだから」


 なにがなんだか分からないまま、小百合様に、ぎゅうっと抱きしめられる。

 そのたくましいヒザの上に乗せられて、背後から力強く。

 背中に大きな胸があたり、ぐにゅっという具合につぶれる。

 鼻腔をつくのは甘い芳香で、その柔らかい肉体とあいまって、俺は恍惚な表情を浮かべるしかなかった。


「小百合、もうそういうのは諦めたからさ。今日からお兄ちゃんは、本当に本当の小百合の奴隷にしてあげる」

「え?」

「奴隷だよ奴隷。今まではお兄ちゃんと恋人同士になれたらいいな〜、とか思ってたけど。もうそういうのはいいや。今日からお兄ちゃんは、小百合の奴隷になるの」

「ど、奴隷って……だって今までも俺は小百合様の……」

「ふふふ、今までのなんて全然たいしたことしてないじゃん。お兄ちゃんにしてた虐めは、遊びみたいなもんでしょ? もっとすごいこと、いっぱいするから。もう、我慢する必要なんてないからね」

「ひ、ひい」

「えへへ、楽しみだな〜。クラスの男子とか先生にやってるみたいに、人間サンドバックにしたり〜、水泳部専用のトイレにしたり〜、あ、全裸に首輪つけて夜の公園をお散歩なんていうのもいいかもね〜」

「さ、小百合さま……」

「一日中一緒なんだもん。これからず〜と、お兄ちゃんのことは小百合が管理するからね。覚悟しておくように」

「あああ……」


 後ろから抱きしめられて、俺は久々に恐怖を感じた。

 今までのあの熾烈な責めが大したことないだなんて……。

 そして、これから始まるであろう小百合様の責めを考えると……。


「とりあえず、今日は一晩中、犯してあげるからねっ!」

「ヒッギュウううっぅ!!」


 後ろからチョークスリーパーをかけられる。

 さらには、その美しい脚線美が俺の胴体にからみつき、みしみしと締め付けていく。

 小百合様の豊満な体に埋もれながら、容赦のない締め付け体を潰されて……。




「―――これからもよろしくね。小百合だけの奴隷さん」



(完)